ファイターズ
2022/05/31 23:05

新庄監督「決めてほしかった…」〝ピンチバンター〟杉谷が痛恨の三塁封殺

九回無死一、二塁に代打で登場した杉谷だったが、好機をつくれず凡退。「ピンチバンター」としての役目を果たせなかった(撮影・村本典之)

■日本ハム0-1広島(31日、マツダ)

三塁・石井がバント処理判断ミス「ああいうところはセンスで」

 バントが勝敗の分岐点だった。1点の重みが増した終盤の攻防。集中力が問われた局面で、ミスが手痛い失点につながり、ミスで勝機を逸した。

 一つ目は八回の守備。無死二塁のピンチを招き、野間のバントは浮いて捕手の前に落ちた。素早く処理した石川亮が三塁に転送しようとしたが、ベースががら空き。およそ2カ月ぶりに三塁でスタメン出場していた石井がチャージしていた。

 直後、犠飛で先制された。結果論だが、スムーズなバント処理で三塁進塁を阻止していれば、失点を防げた可能性はある。新庄監督は「石井君はサードの経験が少なくて」とフォローしつつ「ああいうところはセンスで。バントして浮いて、これはキャッチャーが取ると判断したら、(三塁へ)戻るセンスは欲しい」と注文をつけた。

 もう一つのミスは、九回の攻撃。打線は広島守護神の栗林に食らいついた。松本剛の右前打の後、4番で起用されていた上川畑が一塁線に絶妙なバント。相手捕手の会沢が足を滑らせて捕球に失敗。これがラッキーな内野安打になって、無死一、二塁の絶好機を迎えた。

 ベンチの作戦は、万波の代打で杉谷。課せられた仕事は「ピンチバンター」だった。ボール、ファウルでカウント1―1となり、3球目。打球は投前に転がり、痛恨の三塁封殺。二、三塁をつくれず、代打の野村、清宮は凡退した。同点、逆転まで、ひと押しだった。指揮官は「惜しかったね。もう少しだった。まあ、決めるところは決めてほしかったね」と残念がった。

七回・加藤に代打「めちゃくちゃ迷った。でも、一気に取りにいきたくて」

 1点に執着し、勝負手を繰り出していた。広島先発の床田を攻めあぐねる中、七回2死二塁の好機をつくると、果敢に動いた。6回無失点に抑えていた先発・加藤の打席で「めちゃくちゃ迷ったんですよ。でも、一気に取りにいきたくて」と代打を決断。球数は65。余力を残していた。結果的に、送り出された今川は見逃し三振に倒れた。

 互いに決め手を欠く展開で、守備や小技の精度が展開を左右した。ビッグボスが求める理想は高い。悔しい敗戦と引き換えに、強くなるための課題がまた一つ、見つかった。

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