ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》同じ打者に何度打たれる?相手の嫌がる投球に徹していたか?
■日本ハム3-8阪神(5日、甲子園)
結果は同一カード3連敗。初戦、最大6点をリードしながら試合をひっくり返された。日本ハムは四回以降、無得点。一方の阪神はジリジリと差を縮めて最後は寄り切った。相手に大きな流れをつくらせ、ファイターズは3試合とも、その波にのみ込まれた。
線をなすべき攻撃陣はそれぞれが個人で戦っているように見えた。チームプレーとは決して言い難く、明らかに1戦目の負けを引きずっていた。
そして投手陣。同じバッター(大山)に何度、打たれるんだ! 吉田も三回、手痛い3ランを浴びた。この3連戦、果たしてインサイドを厳しく攻めていただろうか。相手の嫌がる投球に徹することができていたか。迷いなく踏み込んできた大山が、そこにはいた。バッテリーとコーチ陣は猛省する必要がある。
甲子園は高校球児の憧れ。ただ、思い出に浸るのは試合が始まるまで。プレーボールがかかったら、そこは一つのビジター球場に過ぎず、戦場だ。
阪神はこの3連戦で浮上のきっかけをつかんだはずだ。ファイターズだって今後、できないことはない。目の前で、その姿を見せられたのだから。何事も無駄にしてはいけない。(本紙評論家)