道産子左腕が大会史上7人目の快挙!東海大札幌の渡部がノーノー達成
■全日本大学野球選手権 第2日(7日、東京・明治神宮ほか)1回戦 東海大札幌2-0環太平洋大
道産子左腕が快挙を演じた! 全日本大学野球選手権第2日は7日、東京・明治神宮球場などで行われ、4年ぶり9度目出場の東海大札幌(札幌学生連盟)のエース渡部雄大投手(4年、東海大甲府)が、環太平洋大(中国地区)を相手に大会史上7人目となるノーヒットノーランを達成。2―0で勝利した。
雨中の熱投138球 試合中は偉業気づかず「しゃべるまで知らなくて」
降りしきる雨の中でも、渡部は逃げることなく、真っ向勝負で環太平洋打線に立ち向かった。138球で11大会ぶりのノーヒットノーラン。「終わって、しゃべるまで知らなくて」。実は完封の意識しかなかった。「インタビューする人に7人目だよと聞いて、鳥肌がたちました」と、笑顔を見せた。
「春に懸けていた面があるので。自分が抑えれば打者が打ってくれると思ってました」。現在の4年生が、例年より人数が少なく、春でやめる選手が多いという。「春に全国に行こう」が、自然と“同級生”を中心にした合言葉になっていた。
試合前練習からコンディションが良く、いい投球ができると感じていた。手応えのあったツーシームを含め、6種類の変化球と直球を投げ分け、相手打線を翻弄。五回、平野龍之介中堅手(4年、東海大札幌高)が放った、適時二塁打による2点を守り切った。
日下部監督の古希も祝った「こんな素晴らしいことはない」
日下部憲和監督にとっても特別な一日になった。この日が、70歳のバースデー。古希で迎えた一戦での渡部の投球に対し「カーブが初球からストライク。あれ? きょうは違うな」と、指揮官も好投の予感があった。2018年に就任し、全日本は初采配初勝利でもある。ウイニングボールを渡部から受け取り「人生においてこんな素晴らしいことはないですね」と、部員たちが贈ってくれた最高のプレゼントに胸が熱くなった。
渡部は函館市出身。リトルシニア時代は函館港西のエースで同世代の道内NO.1左腕と呼ばれた。高校は東海大甲府に進学し、大学で北海道に戻った。本州の強豪高で培ってきた経験も左腕の武器だ。きょう8日は2回戦の第2試合で仏教大と対戦する。「一つでも多く試合がしたいので、いつでも投げられる準備をします」と、言い切った。快記録もエースにとっては次の1勝への通過点だ。