ファイターズ
2022/06/11 23:25

高卒4年目・甲子園V腕の柿木が3人斬りデビュー 指揮官祝福「本人以上に僕がうれしくなりました」

七回を3者凡退に抑え、ベンチへ引き揚げる清宮(左)に祝福される柿木(撮影・大石祐希)

■日本ハム10-0中日(11日、札幌ドーム)

七回2番手で登板 最速150キロ直球でバット2本粉砕

 夏の甲子園V右腕が、本拠地で鮮烈デビューだ。4年目の柿木蓮投手(21)が、6点リードの七回に2番手で登板。最速150キロをマークした直球を軸に2本のバットをへし折り、3者凡退に仕留めて「ヨッシャー」とグラブを叩いた。

 ベンチ前で新庄ビッグボスの出迎えを受け「もう開き直りじゃないですけど、やってきたことをただ出すだけだと思っていた」と安堵の表情。「3点差だろうが、きょうは柿木君でいきたい」と決めていたという指揮官を「本人以上に僕がうれしくなりました」と大喜びさせた。

 4年目でようやくたどり着いた1軍の舞台。ここまでの道のりは平たんではなかった。大阪桐蔭高時代にはエースとして18年の甲子園春夏連覇に貢献し、同年のドラフト5位で入団。プロ入り後は吉田、野村、万波、田宮と高卒同期が次々と1軍デビューを果たす中、2軍でもがき苦しんだ。

輝星、野村、万波…高卒同期が続々デビュー もがき続けた2軍生活

 投球フォームを見失い、高校時代に150キロを超えていた球速は130キロ台前半まで低下。一時期、2軍首脳陣の配慮で「野球から離そう。ボールを触らせないようにしよう」と実戦から遠ざかることもあった。

 それでも、柿木はめげなかった。昨季まで2軍担当だった加藤投手コーチに付き合ってもらい、ネットスローに明け暮れる日々。腐ることなく真摯に練習を続けてきた。

 登板後には、荒木元2軍監督ら、お世話になった歴代コーチの名前を挙げて「すごく支えてもらっていた」と言葉をつないだ。失うものは何もない。感謝の思いを胸に、柿木は一球一球全力で腕を振る。

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