ファイターズ
2022/06/11 23:38

《鶴岡慎也のツルのひと声》石川亮は攻守でチャンスをものにした

攻守ともに活躍を見せた石川亮

■日本ハム10-0中日(11日、札幌ドーム)

 捕手は宇佐見が中心で起用され、石川亮はなかなか1軍に上がってくるチャンスがなかった。思うところもあったはずだ。スタメンマスクは1週間に1度か2度だが、そこで完封できた。彼は、投手の能力を最大限に発揮させるタイプ。素晴らしい仕事をした。

 先発の杉浦は打線の2巡目につかまる傾向があった。配球は初回から真っすぐ主体で、外国人にも怖がらずに使った。出場機会の少ない捕手は目先の結果が欲しくなり、変化球に頼りたくなるが、真っすぐを意識させたことで、2巡目以降、変化球がより生きた。

 打席でも結果を残した。二回無死三塁で、2ボールから中途半端な中飛はあったが、四回に追い込まれてから変化球を安打にした。さらに五回1死二、三塁で、カウント1―2からスクイズ。ファウルも許されない究極の場面でも、しっかり前に転がした事実が大きい。絶対勝つという執念が表れていた。

 2軍で一緒に過ごした柿木、福田、鈴木の能力を引き出し、好投につなげたことも高く評価できる。捕手がいい争いをすると、チーム力は上がっていく。今後も消去法ではなく、それぞれが結果を出し合い、正捕手を競ってもらいたい。(本紙評論家)

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