ファイターズ
2022/06/12 19:25

加藤が8試合ぶりの白星! ビッグボスも「ひと安しんじょうつよし」

7回無失点の好投で今季3勝目を挙げた加藤

■日本ハム2ー0中日(12日、札幌ドーム)

中4日で快投!交流戦26イニング連続無失点

 およそ2カ月ぶりの勝利に、いつもクールな加藤貴之投手(30)の口元がちょっと緩んでいた。今年初めて上がった本拠地・札幌ドームのお立ち台。「運だと思うので勝ち星は。はい、まあ良かったです」と短い言葉に喜びを凝縮させた。

 6回無失点と好投した7日のDeNA戦(札幌ドーム)から中4日での先発登板。先発ローテーションの一角を担う伊藤が離脱する中、難しい調整を強いられたが「上沢もやっていましたし、自分もできるのかなと。一回ぐらいは経験してみたかった」と快く引き受けた。

 持ち前のテンポの良い投球で五回までスコアボードに0を並べ、最大のピンチは1点リードの六回。2死満塁とされたが、「逆に開き直って思い切って投げられた」とフォークボールで木下を遊ゴロに仕留めた。続く七回は3者凡退に抑え、交流戦は4試合に登板して26イニング連続無失点締め。「ほんとたまたまです、はい」と謙虚に振り返った。

 8試合ぶりの白星となる3勝目を挙げ、新庄ビッグボスは「加藤君にやっと勝ちをつけてあげることができて、ひと安しんじょうつよし」とコメント。武田投手コーチは「先発事情を埋めてくれるのは加藤しかいないと選択をした。チームにとっても彼にとってもこの1勝はすごく大きかった」と感謝した。

 4月19日の楽天戦(楽天生命パーク)では、わずか90球で9回を投げきり、100球未満で完封する「マダックス」を達成。指揮官から「カドックス」と名付けられて以降は、好投しながらも白星に見放された。つらい2カ月間を過ごしたが、加藤の心がぶれることはなかった。

武田コーチ「先発の柱としての自覚出てきた」

 「まず自分のピッチングをしないといけないと思っていた」と淡々。現役時代に同じく打線の援護がなく苦しんだ武田投手コーチが「俺の方がひどいから。自分の仕事をできているという満足感は失わないようにすれば、心が折れずにずっと投げ続けることができる」と親身になってアドバイスをくれた。

 相手打線が2巡目、3巡目に入ってからのピッチングが長年の課題とされてきたが、自らの殻を破って成長。武田投手コーチも「去年からやっと先発の柱としての自覚が出てきた。本人も、上沢、(伊藤)大海もいて自分が『左のエースだ』と取り組んでくれると思う」と目を細める。左のエースの地位確立へ。苦しんだ末につかんだ1勝は、さらなる飛躍につながるはずだ。

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