ファイターズ
《荒木大輔のズバリ解投》ペース崩さぬ加藤 「我慢」の投球はお見事
■日本ハム2ー0中日(12日、札幌ドーム)
走者を背負っても投球に変化見られず
加藤がまたも安定感ある「我慢」を披露してくれた。一、二、四回と先頭に安打を許しながらも得点を与えず、7回無失点。ストライク先行でカウント負けしないピッチングは相変わらずで、安心して見ていられた。
打線の援護をもらい、余裕のある場面ならば、多くの投手が冷静さを保つことができる。加藤は走者を背負っても投球に変化が見られず、どんな状況下でも自分のペースを崩すことがない。それが最大の武器だ。
勝ち星は約2カ月ぶり。勝利に恵まれていない投手ほど「抑えなきゃ」と力みが出てしまうもの。ましてや今回は好投手の柳と投げ合った。それでも淡々と腕を振った。お見事だ。
とはいえ、この1勝は大きい。好投が報われない試合が続くと、どうしてもモヤモヤは残る。それが後々、ボディーブローのように効いてくる。「我慢していれば勝てる」。加藤は、その思いを強くしたはずだ。
女房役・石川亮の気遣いはピカイチ
前日に続き、女房役を務めた石川亮も好リードを見せた。登板を続ける投手の傍らには必ずと言っていいほど、石川亮がいる。投手への気遣いはピカイチ。現在、宇佐見も好調だ。いい競争が続きそうだ。
打では清宮に雰囲気が出てきた。この日の適時打もしかり。自分の形を崩されても何とかしようという姿勢が見える。厳しいコースを攻められても「我慢」できている。確実に成長している。(本紙評論家)