加藤 すし弾に沈む 極貧打線援護なし
■日本ハム0-4ロッテ(19日、ZOZOマリン)
小島に、レアードにやられた…。日本ハムは19日、ロッテと対戦(札幌ドーム)したが0―4で完敗。相手の先発左腕・小島和哉投手(25)に完封を許し、元同僚のブランドン・レアード内野手(34)にソロ弾を含めて3度、痛打を浴びた。先発・加藤貴之投手(29)は三回まで完全投球も、四回2死から四球を挟んで3連打を浴びて2失点。六回にはまたも2死から被弾し、流れを渡してしまった。チームは今季12度目の無得点敗戦で3連勝はならなかった。
屈辱的だった。2018年まで在籍していた元チームメートのレアードにしてやられた。
特長を知り尽くしているはずだが、肝心な場面で、抑えられない。適時打2本と本塁打1本を許した。栗山監督は「あれだけの打者なので、打つときもある」と重たい現実を受け止め、「優勝が懸かったときのレアードは全然違う。(集中力が)度を超えているから。その彼を抑えないといけない」と語気を強めた。
人気者だったかつての助っ人が打つたびに、青の限定ユニホームに身を包んだファイターズファンからも大きな拍手が送られた。六回にソロ弾を浴びると、皮肉にも、すしポーズが飛び出し、球場全体が盛り上がった。
先発の加藤は3回までパーフェクトに抑えながら、レアードの適時打と本塁打が痛手になり、6回3失点で7敗目を喫した。粘りを発揮しきれず「ホームランを打たれた1球にも悔いが残ります。前日のいい流れを生かすことができず、申し訳ない気持ちです」と肩を落とした。
今季、日本ハムの投手陣はレアードに対し、18日まで打率・211、本塁打0に封じていた。丁寧にコースを突き、ボール球を振らせることに成功していた。ただ、状態が上がると、読みがさえ、打席でのアプローチも変わる。指揮官が「過去(のデータ)がどうのこうのは全然関係ない」と指摘したように、勢いに乗ると手が付けられなくなる。
前日18日はしぶとく1―0の白星をものにしていたが、簡単に押し返された。天敵ロッテとの対戦成績はこれで3勝10敗。1球団だけで7つの借金を抱えている。
17得点した11日のソフトバンク戦が幻であるかのように、打線も機能しなかった。左腕・小島に4安打で完封を許し、最近5試合の総得点は8。1試合平均に換算すると1・6点だ。いくら先発や中継ぎが踏ん張っても、連勝の波を引き寄せられない。
試合後、栗山監督は「一つも負けられない気持ちでいっている。しっかりと全員で勝てるようにやっていきます」と絞り出した。苦境を打破できないまま、残り試合だけが少なくなっていく。(榎本真之)
◆0封負けは今季12度目 ロッテ・小島に4安打に抑えられ、今季12度目の0封負けを喫した。球団名が日本ハムになった1974年以降、無得点での敗戦は2011年に喫した21度が最多。球団ワーストは東映時代の1956年の31度。