ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》伊藤大海の「冷静」と「冷めてる」は紙一重 戦う姿勢だけはブラすな!
■日本ハム1-3ロッテ(18日、札幌ドーム)
伊藤は右足に打球が当たるアクシデントを経て、久しぶりの登板だった。立ち上がりから一球一球は良かった。ただ、彼の場合は冷静な姿と冷めた姿が紙一重。野手は敏感で、冷静に戦う姿勢を緩めなければ、どんどん声を掛けてくる。逆に冷めた姿が見え隠れすると、寄ってこない。
調子や試合の流れ、運を踏まえ、どうしてもネガティブになることはある。アンパイアのジャッジもそう。「ツイていないのかよ…」と自分に冷めてしまうときがある。野手からすると残念な光景で、独り相撲に映る。
わたしはいい先輩に恵まれ、目が覚めた。あるとき、片岡篤史さん(現中日2軍監督)がマウンドにきて「おい、岩本。おまえの背中を見て俺たちは必死にボールを追いかけている。それだけは絶対に忘れないでくれ」と声を掛けられた。相手ではなく、自分と戦っていた。とても恥ずかしくなり、それからバンバン攻めた。
伊藤は認めないかもしれないが、冷めた表情、姿に感じることがある。だから、あえて言いたい。戦う姿勢だけは絶対にブラさないでくれ! そうすれば、周りの声がよく聞こえ、チームで戦っている現実がよく見えるようになる。(本紙評論家)