日本ハムのドラフト２位ルーキー・有薗直輝内野手（１９＝千葉学芸高）が２１日、１軍初昇格を果たす。新庄剛志監督（５０）が抜てきを決め、楽天戦が行われる秋田でチームに合流する。パンチ力に定評がある右の大砲候補が、大きな一歩を踏み出す。

２軍では長打を量産

　支配下の高卒ルーキー５人の中で、最も早く１軍に呼ばれたのは有薗だった。映像で２軍戦をチェックしていた新庄監督が「有薗くんを見てみたい」と昇格を打診。「今の状態なら１軍のピッチャーでも面白い打球を打つんじゃないかな」と期待を寄せた。

　１８日のイースタン・楽天戦で２号２ランを放っていた。２軍通算成績は打率.２７４、２本塁打、１１打点。安打２３本のうち、二塁打が８本、三塁打が１本。特長として長打が多い。

　球団は昨秋、将来のスラッガー候補と評価し、ドラフト２位で指名した。１８５センチ、９７キロの恵まれた体格を生かしたパワフルなスイングが魅力。シーズン開幕直後から２軍戦に出場し、コツコツと腕を磨いてきた。

新庄監督が抜てき「ボールの見極め方がいい」

　大器の片鱗は見えていた。新庄監督は「思い切りがいいし、意外とベース寄りではなく、ピッチャー寄りで（ボールを）見極められている。うまさというか、見極め方がいいという感じ」と独自の視点で力量を測っていた。

　引っ張り専門ではなく、外野手の間を抜くような当たりも目に付いた。これはプラス材料で「左中間にいい打球を打ってくれる。近藤くんなんかは左中間、右中間の両方に打てるから」。シーズン中、万波やアルカンタラの本塁打を予告、的中させてきた指揮官。将来有望な高卒新人野手がどんなデビューを飾るのか、注目される。