ファイターズ
2022/06/25 22:50

左打者有利に右打者8人―「よくなかったね」ビッグボス笛吹けど踊らず逆張り失敗

七回、伊藤の交代を告げる新庄監督。データに逆らう打線を組んだものの、伊藤に援護点を与えることができなかった(撮影・松本奈央)

■日本ハム0-3ソフトバンク(25日、ペイペイドーム)

「うちがつぶす」意気込むも散発4安打「今度は左を並べます」

 あえてデータに逆らった。ソフトバンク先発左腕の大関は、左打者有利の傾向が顕著だった。試合前時点で、対右打者の被打率が.158で、対左打者が.285。通常なら左を並べて勝負するところだが、ビッグボスの思考は異なっていた。

 数字をうのみにせず、疑った。「向こうの投手は左打者に打たれている。だから、ほとんど右を並べた。うちがつぶす。他のチームにもデータで右でもいけますよと(示す)」。スタメン9人のうち、左打者は6番の浅間のみ。右8人をスタメン起用するおきて破りの策を講じた。

 攻略が難しいと分かった上でどう考え、アプローチするか、右打者に宿題を課すような意図もあったかもしれない。ただ、終わってみれば散発4安打で、0封負け。皮肉にも、データの有効性を実証する形となった。

 試合後、新庄監督は「よくなかったね。今度は左を並べます」と潔く逆張りの失敗を認めた。加えて、大関の投球は想像以上だった。「球が良かったですね。インコースのクロス気味に入ってくるボールが頭に残るから、スライダーでも、見逃してしまう。いいピッチャーですよね」と相手をたたえた。

7連敗でも前を向く「結果は出ていないけど、悪くはない」

 序盤から直球に差し込まれるケースが目立ち、フライアウトは11個を数えた。4番の野村も2打席目まで抑え込まれた。七回に左前打を放って意地を見せたが「まず真っすぐが強いのに、フォークとシュートをうまくコントロールされる。やっぱり真っすぐが来た時に捉えきれない。そこが難しかったのかなと思います」と実感を込めた。

 チームは今季ワーストの7連敗となった。この7試合の平均得点は1.57。深刻な得点力不足に陥っていても、指揮官はレベルアップするための試練と受け止めている。「大丈夫大丈夫。練習して、要所要所で選手に対してポイントをこういうふうにしたらとアドバイスして。打席の中で結果は出ていないけど、悪くはないですよね。それをつかんでもらって、上がってくるのを待つ」

 大型連敗も意に介さない。有望な若手を預かるボスは例え時間がかかっても、妥協せずに一流打者を育てていく。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい