ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》伊藤の、打線の「挑む姿勢」にBIGBOSS流の成長見えた
■日本ハム0-3ソフトバンク(25日、ペイペイドーム)
伊藤は自身3連敗。打線はソフトバンクの大関にコテンパンに抑え込まれた。ただ、伊藤も攻撃陣も挑む姿勢を貫いていた。
マウンドには前回と別人の伊藤。気力、体力ともに充実し、戦う姿勢を取り戻した道産子右腕の姿があった。ベンチで武田コーチから交代を告げられた際、食い下がる表情、姿勢が見られた。だが次の瞬間には笑顔で言葉を交わしていた。
シーズンを見据えているからこそ、また自分が何をすべきか心得ているからこそ、最後は冷静になれたのだろう。前回と今回。この2敗は伊藤を大きく成長させた。
打線も挑んでいた。結果は完封負け。悔しさから、皆の表情には悲壮感すら漂っていた。それが成長なのだ。開幕当初は敗れてなお、笑顔を見せる選手もいた。
思えば、BIGBOSSは一度も「勝つ」、「優勝する」とは口にしていない。それでも勝つ野球を教え込んでいるのは事実であり、負け癖を付けようなどとは微塵(みじん)も考えていない。すべては成長のためにある。
だから、われわれ番記者ならぬ〝番〟解説者も毎試合、問うのだ。「何を得たのか?」と。そして断言する。この試合、伊藤も打線も確実に得たものはあった。確実に挑み、成長を遂げた。この一つ一つの経験を生かさない手はない。(本紙評論家)