知内・坂本&馬鉢の必勝継投で2年連続全道
■秋季全道高校野球支部大会(20日、函館オーシャンほか)
4支部で代表決定戦7試合が行われ、代表20校が出揃った。函館支部は昨秋全道4強の知内が、6―1で函大柏稜に勝利した。先発したプロ注目、最速147キロのエース左腕・坂本拓己(2年)が6回1失点。七回から救援した右腕・馬躰(ばたい)光瑛(2年)が3回を完全投球。準決勝の函大有斗に続き、2人の必勝継投で強敵を倒し、2年連続9度目の全道大会進出を決めた。
知内が必勝継投で、全道切符を手にした。プロ複数球団が注目する先発左腕の坂本は、二回に味方の失策から1点を失ったが、自責は0。「真っすぐを右打者のインコースにしっかり投げ込むことで、勝利に貢献できた」。五回に2死満塁のピンチを迎えたが無失点で切り抜け六回を投げきった。
七回からは「4番・右翼」で先発した馬躰が登板。最速は142キロだが「自分は変化球を生かせるような投球を」と、右斜め上からの切れ味鋭いスライダーで、打者9人から6三振を奪う完璧な投球を披露。延長十回にもつれ込んだ準決勝の函大有斗戦でも、七回途中から救援して無失点で勝利をたぐり寄せた。
チームは8月上旬に3泊4日で東北遠征を敢行。坂本は複数の強豪校との練習試合5試合に登板。最終日の青森山田戦では「6回か7回投げて無失点でした」と、強豪校への好投で自信を深めた。馬躰も岩手・花巻東戦で四回から登板し、3回無失点と大きな収穫を得て支部予選に突入した。
互いに認め合う存在だ。坂本は「後ろに馬躰がいるから思い切って投げられる」。馬躰は「2人でもっと切磋琢磨して、いい投球をしたい」。この秋誕生した左右の両輪で、昨秋の4強超えを達成する。(西川薫)
◆創立110周年の函工 エース五十嵐ピンチしのいだ
○…函工が創立110周年の節目に躍進を遂げる。函館五稜郭中3年時に完全試合の経験を持つエース・五十嵐涼真投手(2年)が先発。同点に追い付かれた八回は「ピンチの連続だったが最少失点で抑えよう」と踏ん張り、九回の勝ち越しにつなげた。夏の支部予選敗戦後から、新球のスプリットに挑戦。「全道では強打者も増えてくる」と新たな武器と共に、初めての円山球場に乗り込む。