ドラ9上川畑プロ1号! 守備の男がバットで大仕事
■日本ハム3ー2ソフトバンク(26日、ペイペイドーム)
交流戦明け初白星 連敗「7」でストップ
若手躍動で連敗脱出! 日本ハムは26日、敵地でソフトバンクと対戦し、延長十回の末に3―2で勝利。交流戦明けから始まった連敗を「7」で止めた。1―2の八回、ルーキーの上川畑大悟内野手(25)がプロ1号となるソロ本塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。同点の十回には1死から四球を選び、その後の敵失で決勝のホームに生還した。
フェン直三塁打の次打席で一発
しっかりと打ち直した。五回の第2打席。ドラ9ルーキーの上川畑は、右中間へ大きな飛球を放ったが、フェンスに阻まれる三塁打となり、プロ1号はお預けとなった。しかし、続く八回の第3打席で、今度は同じ右中間フェンスを越えてみせた。
ソフトバンクのセットアッパー・又吉の直球を叩くと、打球はそのままホームランテラスに吸い込まれた。1点ビハインドの試合を振り出しに戻す一発。「(本塁打は)社会人時代から、あまり経験のなかったこと。喜びをかみしめながら(ベースを)回りました」と、格別のひとときを振り返った。記念のボールはいつも支えてくれている妻に贈るつもりだ。
サイクル安打「狙ってました」
延長十回には、二塁打を記録すればサイクル安打達成となる打席が巡ってきた。「もう二度とないチャンスだと思っていたので、狙っていました」と笑った。結果は四球で快挙達成とはならなかったが、3安打1四球の全打席出塁で連敗脱出に大きく貢献した。
167センチの小柄な体格ということもあり、守備からプレーヤーとしての基礎を形成した。転機となったのは日大入学だ。それまでは自身の野球センスのままプレーしていたが、1学年上だった京田(中日)らの動きを見て実力不足を痛感。守備理論を学び直し、みっちりとディフェンス力強化に時間を費やした。
地道な練習も多く「苦になります」と苦笑いしたが、「守備は、体も小さいので武器にしていかないといけないなと大学の時に思った。それはキツかったですけど、やりました」。野球選手として生き残っていくため、自らを奮い立たせた。そして、誰もが認める守備力を身に付け、プロの門をこじ開けた。
この日の躍動で打率を.313まで上昇させた。まだ22試合出場の74打席と少ないが、打撃の開花を予感させる。試合前練習で新庄監督から「ピッチャーを見る時、あまり一点になりすぎずに球場全体を見るように構えてみろ」という助言を受け、「力も抜けてバランスよく構えられるようになった」と効果を実感した。
堅守が武器の上川畑に、攻撃力も加わってきた。社会人野球を3年経験した苦労人が、チームを支えるセンターラインに君臨できるか、注目だ。