大学・社会人野球
2021/09/21 16:05

創部4年目北ガス 延長十三回サヨナラで念願の都市対抗切符

激闘十三回をサヨナラ勝利し、喜びを爆発させる北海道ガスナイン。初の都市対抗本戦に挑む(撮影・小川正成)

 ■都市対抗野球道地区2次予選最終日(20日、札幌円山)

 創部4年目の北海道ガスが9―8で室蘭シャークスに勝利し、3連勝で本大会(11月28日開幕、東京ドーム)初出場を決めた。タイブレークに突入する大接戦となったが延長十三回、1番・米満凪遊撃手(24、奈良学園大)が左前にサヨナラ適時打を放ち、日本選手権に続く全国切符を手にした。

 日没から13分後の午後5時49分、北海道ガスナインの歓喜の声が夕暮れの空に響いた。試合時間4時間27分に及ぶ激闘を制し、清水隆一監督(62)は「どうしても都市対抗に出たかった。その思いがかなって、非常にうれしい」と白い歯をこぼした。
 不振のリードオフマンが、最後に決めた。タイブレークに突入し、1点ビハインドで迎えた延長十三回。9番・小栗研人一塁手(26、星槎道都大)の左前適時打で同点に追いつくと、ここまで5打数0安打、2次予選3試合を通じても12打数1安打の米満に打席が巡ってきた。
 スコアボードの光がまぶしく感じるほど暗くなったグラウンド。球は「投げた瞬間に何か飛んでくるくらい」にしか見えていなかったが、執念で食らいついた。内角の直球を振り抜いた打球は左翼線にポトリ。三塁審判のフェアのジェスチャーでサヨナラ勝利を確信すると、涙を流しながら仲間と抱き合い、喜びを爆発させた。
 逆転に次ぐ逆転。1期生の存在無くして、この勝利はなかった。本塁打を放った長谷川寛中堅手(25、早大)、寺田和史左翼手(26、東北福祉大)をはじめ、同点打の小栗らはいずれも2018年創部当時を知るメンバー。苦しい時期を乗り越え、都市対抗本大会の切符を手にし、寺田は「グラウンドも室内(練習場)もない状態から始まった。ここまでこれたのは格別な思いがある」と感慨深げに語った。
 初の全国出場となった6月の日本選手権では東邦ガス(愛知)に1―2で惜敗し、1回戦で敗退した。2度目の大舞台に向け「選手権で負けてから全国で勝つことを目標にやってきた。1勝を目標に、一戦必勝で戦いたい」と中林健吾主将(25、早大)。まずは全国初白星を目指し、東京ドームに乗り込む。(島山知房)

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