《人ほっとコーナー》住永翔吾さん(17) 30年五輪で金メダル狙う新進気鋭のスノーボーダー
家族で移住 拠点を埼玉から札幌へ
「全てはスノーボードの楽しさを広めるため」。札幌市が招致を目指している2030年の冬季五輪に出場し、金メダル獲得を狙う。
昨季はJSBA全日本スノーボード選手権U―18男子でデュアルスラロームとジャイアントスラロームでW優勝。さらに年齢制限のない全日本スキー選手権で3位、初めての海外大会となったUSASA世界選手権では9位に入賞するなど、着実に力をつけ、世界トップに近づいている。
滑りの質を追求するため、本格的な肉体改造も始めた。「体に重み(筋肉)がついて、どんなキツい状況でもいいライディングができる」と、昨年より10キロ増の68キロに体重を増やした。自身の特長である「高い位置で板を踏む」重心の上げ下げを意識した滑りに、良い影響が出ているという。
このオフは、サマーゲレンデでの滑走や、陸地でスケートボードに乗ってカービングの練習も行う。常に照準は2030年。世界を見据えて拠点を埼玉から札幌に移した。家族で移住するほどバックアップ態勢もばっちりだ。
まずは五輪強化指定選手につながる大会で結果を残し続け、開催が期待される札幌冬季五輪出場を目指す。そこで金メダルを獲得した姿を日本中の人に見てもらうことが夢だ。「スノーボードはやってみないと楽しいかどうかわからない。少しでも興味を持って、触れてもらうきっかけになりたい」。日本のスノーボード界を盛り上げるべく、自ら躍進し続ける。
■プロフィール
住永 翔吾 (すみなが・しょうご) 2005年7月9日、東京都生まれ。4歳でスノーボードを始め、小学5年でアルペン競技の道へ進む。世界を目指し、活動拠点を移すため中学3年時に埼玉から札幌へ家族で引っ越す。そのシーズンのJSBA全日本スノーボード選手権U―15男子でデュアルスラロームとジャイアントスラロームの両部門で優勝するなど頭角を現す。現在はN高に通いながらスノーボードと勉強を両立。好きな科目は数学と理科。175センチ、68キロ。