高校野球
2022/06/30 23:05

石狩南 川下主将 ノーノー左腕からV打「真っすぐは狙っていた」

五回2死三塁、石狩南の川下主将が道科学大高の竹田から勝ち越しの右前適時打を放つ(撮影・西川禎之)

▽全国高校野球選手権南北海道大会 札幌支部予選Dブロック1回戦 石狩南5-4道科学大高(30日、札幌円山)

 8支部で20試合が行われた。札幌支部の石狩南は、28日に悪天候のためノーゲームとなった道科学大高との1回戦の再戦で、春の支部予選でノーヒットノーランを達成した竹田一翔投手(2年)を攻略。投げては前田竜汰投手(3年)が粘りの投球を見せて完投し、5―4で勝利した。

道科学大高の好投手・竹田撃ち

 再試合でも集中力を切らさなかった。対するは好投手を擁する道科学大高。マウンドに立ちはだかるのは春の支部予選で無安打無得点を達成している左腕・竹田投手だ。

 打破したのは主将の川下明一塁手(3年)。2―2の五回2死三塁、甘く入ってきた直球をはじき返し、竹田を打ち崩した。二塁手正面の打球もイレギュラーして右翼前への勝ち越し適時打となった。川下は「真っすぐは狙っていた。ヒットになってくれて良かった」と胸をなで下ろした。

 投げては前田が「絶対に気持ちで負けない」と先発。高校1年から始めた横手投げで相手打線に挑んだ。直球と3種類のカーブで組み立て、「自分の球に自信を持つ」気迫の投球で9回を12安打4失点と粘りを見せ、最後の打者を打ち取ると跳びはねて喜んだ。

 大会1週間前のミーティングで高草木穣監督(54)から試合に向かう心構えについて話があった。「集中・冷静・自信」を大事にすること。緊迫した場面では皆で声をかけ合おうと決めた。それが生きたのが最終回。2点を返され1点差。なおも1死一、二塁とピンチは続いた。ナインは川下主将を中心にマウンドに集まり、「いつも通り冷静に集中していこう」と声をかけ合った。そこで落ち着きを取り戻し、試合を終わらせた。

 目標は南大会出場。次の対戦相手は強豪の札大谷だ。何が起きても「集中・冷静・自信」で食らいつく。

道科学大高 後輩に甲子園託す

 2020年独自大会以来の南大会出場を目指したが初戦で敗退した。チームに3年生は2人。主将の窪田悠雅捕手(3年)は「毎日が濃くて、楽しい2年半だった。感謝の気持ちでいっぱい」と涙を流した。佐々木勇輝右翼手(3年)も「2年生がチャンスをつくってくれたのに生かせなかった。申し訳ない」と悔し涙。かなわなかった甲子園出場の夢は竹田ら後輩たちに託す。

高校野球の記事はこちら

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい