「清宮君が止まった…」新庄BIGBOSSが愛のダメ出し
■日本ハム2-1オリックス(1日、札幌ドーム)
「ちょっと、野球を学んでもらいたいですね」
勝っても、愛情たっぷりにダメ出しした。試合後の囲み取材が一段落すると、新庄剛志監督(50)は少し厳しい口調で、切り出した。清宮幸太郎内野手(23)のワンプレーがどうしても気になった。「せっかくエンドランで、石井君が転がしてくれて、清宮君が止まった…。あそこ、当たってもいいからいきなさいって。ちょっと、野球を学んでもらいたいですね」
指摘した場面は、1点差に詰め寄られた直後の七回1死一塁。エンドランのサインが出て、打者の石井は二ゴロ。一走の清宮は走路に転がってきた球が体に当たらないようにブレーキをかけ、打球が通り過ぎてから再び走りだした。しかし結果は4―6―3のダブルプレー。指揮官はベンチで首をひねった。
ためらった一瞬の判断が命取りに
タイミングを計り、2死二塁をつくるために手を打った。打球の軌道を見極めながら、多少のリスクを背負ってでも、二塁に突進してほしかった。「エンドランの意味がなくなる。しゃがんでヘッドスライディングでもいいからね。止まっていたらいかん」。ためらった一瞬の判断が命取りになることもある―と伝えたかった。
清宮は二回、右翼へ大飛球を放っていた。右翼手の杉本がフェンス際でジャンプし、好捕。アウトの判定だったが、捕球前にフェンスに当たっていた。リクエストせず、そのまま試合が進行。そのシーンについて問われた新庄監督は「ちょっとオレ、ブルーベリーが足りなかった。あれは捕ったと思った。あの距離は見えないな。もっと(打者やコーチャーも)アピールしてほしいですね」と反省も忘れなかった。
今は試合の勝ち負けよりも大事なことがある。高度な判断が要求される作戦も平然とやり遂げるような集団を構築している途中だ。清宮も主役を担う一人。だからこそ、ビッグボスは妥協を許さず、プレーの質に目を光らせる。