ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》大海の完封劇をベンチワークももり立てた
■日本ハム5-0オリックス(2日、札幌ドーム)
一発も考えられるオリックス打線に対して、伊藤は慎重に事を運ばせた。四球4つは彼にしては多いが、決してバタバタではなかった。四球を嫌がらなかった。
ベンチワークもズバリだ。三回2死一、三塁で、宇佐見が一走・福田の盗塁を刺した。重盗も阻止したピックオフプレーはサインだろう。ベンチ、バッテリーの冴えたプレーが一気に試合をヒートアップさせた。
1日の上沢やバッテリーの工夫を見ていて、伊藤と宇佐見がいい試合をつくりあげた。配球も普段ならインサイドに飛び込むところで、バックドアのスライダーを投げたり、違うパターンもいくつかあった。終盤は走者も抱えたが、ナイスピッチングだった。
裏目に出て苦しんだ経験が会心の勝利に導いた
攻撃では六回2死満塁でベンチが思い切って動いた。ヌニエスに代わって上川畑。強振よりもミートの打者を選択した。その方が、山本はものすごく嫌だったはずだ。相手の嫌がる選手起用が決まった。これまで裏目に出て苦しんできた経験が根拠となり、会心の勝利に導いた。
今後、さらに明るい見通しが立ってくるはずだ。今はそのステップを踏んでいる。失敗を生かす選手たちの姿が見え始めた7月の2試合だった。