弟の誕生日に「7」の壁越えた! 5年目・清宮が自己最多8号ソロ
■日本ハム3-7オリックス(3日、札幌ドーム)
日本ハムの清宮幸太郎内野手(23)が3日に札幌ドームで行われたオリックス戦に「7番・一塁」でフル出場し、2―4の七回に自己シーズン最多を更新する8号ソロを右翼スタンドに叩き込んだ。一時、1点差に迫る一撃も勝利には結びつかず、チームは3―7で敗れ、今季3度目のカード3連勝を逃した。
右翼スタンドへの特大弾
夏の到来を感じさせる特大の〝花火〟だった。2点ビハインドの七回、先頭で打席に入った清宮がオリックス・近藤の149キロ直球を完璧に捉えた。「打った瞬間でした」と振り返ったように、相手右翼手が一歩も動かなかった。白球の勢いは衰えることなく、そのまま右翼席中段へと吸い込まれた。
この日はくしくも弟・福太郎(早大1年)の誕生日だった。「最近、あんまりヒットも出てなかったですし、(弟の)誕生日っていうのもそうですけど、単純にきょうはめっちゃ打ちたかったです」。直接「おめでとう」とのメッセージも送ったが、お祝いの一発を届けてみせた。
入団から3年連続で7本塁打だったが、ついにその壁を越えた。67試合目の出場でキャリアハイを更新する8号ソロも当然、満足することはない。「例年よりは(本塁打の)ペースが早いので、いつか出るかな、と思ってましたけど。もっと打ちたいですね」とアーチ量産への貪欲な気持ちを見せた。
今季は全てソロで得点圏打率は.167…
次なる試練は、得点圏での打撃だ。得点圏打率は.167と低迷しており、さらに8本塁打は全てがソロ弾となっている。「やっぱりクイック(モーション)が違うところだと思う」と、速い投球フォームにうまくタイミングを合わせられていない。しかしこの日の本塁打は、タイミングをずらしにきたクイックモーションへ見事に対応。課題克服へ、今後も再現を狙う。
昨季はプロ4年目にして、初の1軍出場なしに終わった。何かを変えなくてはいけない―という危機感を抱いていた。オフにソフトバンクの柳田に弟子入りしたのも、その気持ちの表れだ。さらに、柔軟性や関節可動域に効果があるとされる「初動負荷トレーニング」にも本格的に着手した。休みの日には、トレーナーの了承を得て、札幌市内にある同トレーニング施設「ワールドウィング」に公共交通機関を使用して、自らの足で通っている。
5年目のシーズンもすでに折り返し地点を過ぎている。7月に入り、今年もまた熱い季節がやってきた。2022年は、清宮の夏にする。