高校野球
2022/07/04 23:20

函大柏稜3年ぶり南大会 2年生・西村が劇的サヨナラ打「まだ3年生と野球できる」

同点に追いつき、なおも九回2死満塁のチャンスを迎え、それまで不調だった函大柏稜の西村が右前にサヨナラ打を放つ(撮影・西川禎之)

▽全国高校野球選手権南北海道大会 函館支部Bブロック代表決定戦 函大柏稜2-1市函館(4日、函館オーシャン)

 代表決定戦が行われた函館支部Bブロックでは、函大柏稜が九回2死満塁の場面で西村澪央翔外野手(2年)がサヨナラ打を放って2―1で市函館を下し、3年ぶりに南大会への切符をつかんだ。

打撃不振も払拭 野村監督の助言実った

 これまで不調だった2年生のリードオフマン・西村が、3年生を助けるサヨナラ打で試合を決めた。

 八回までスコアボードに0が並ぶ息詰まる試合展開だったが、九回に試合が動いた。市函館に1点先制されたものの、同点に追いつき、迎えた2死満塁の場面。打席に入ったのは今大会で打撃不振に陥っていた1番・西村。「自分が決めないと」と打席に立ち、2球目の外角直球に食らいついた。走りながら「落ちてくれ」と祈った打球は、フラフラと上がり、前方に飛び込んだ右翼手の手前に落ちて劇的なサヨナラ打となった。

 自身の不調にもサヨナラだ。試合直前まで野村直毅監督(30)から打席でのタイミングの取り方や、ミートのポイントを前に置くなど打撃指導を受けていた。その成果が実った。西村は「夏の大会が始まってから、なかなかヒットが無くて、チームに迷惑をかけていた。最後のチャンスで打てて良かった。まだ3年生と野球ができる」と、安堵の表情を浮かべた。

 守備ではエースの小野智暉投手(3年)が9回5安打1失点5奪三振で完投。「いい投球ができたが、甘い球もあった。南大会までに克服する」と気合を入れ直した。

 野村監督はチームを率いて2年目。今年の春からユニホームも新しくなった。「新生・柏稜」はこれから全道、全国と、前に向かって突き進む。

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