スポーツ総合
2021/09/22 14:55

沢田「不運笑い飛ばす」日本バンタム級初タイトルへ4度目の正直

再戦となる王座決定戦に向け、ミット打ちに汗を流す沢田

 さあ、決着だ! ボクシング日本バンタム級1位の沢田京介(33、JBスポーツ、札工高出)が11月12日に聖地・後楽園ホール(都内)で行われる同級王座決定戦の再戦に臨む。道産子ファイターはコロナ禍での度重なる興業延期や負傷判定など、不運に見舞われ続けてきた。悲願のタイトル奪取へ―。最高の仕上がりで本番を迎える。

11月12日 後楽園ホールで王座決定戦

 沢田は苦笑いする。「逆境にはもう慣れましたね」。自身初のタイトル戦は元々、昨年4月に予定されていた。それがコロナ禍で無期限延期となった。そのまま年が明けると、1月に当時の王者が突然、引退を表明。念願の一戦は消滅した。
 それでも空位となった王座を決める試合が5月に組まれた。だが、すんなりはいかなかった。またまたコロナの影響で試合が延びた。結局、タイトルマッチは7月26日に開催。同級2位のサウスポー・定常育郎(24、T&T)と激突した。
 その試合でもアクシデントに襲われた。1回にダウンを奪い、完全有利な状況になったまでは良かった。不運は2回。偶然のバッティングで沢田は額を9針も縫う大けがを負った。その瞬間、試合は終わり、結果は負傷ドロー。悔やんでも悔やみきれなかった。
 今は、11月のリマッチを見据えて日々、トレーニングの強度を高めている。「問題はない。あとは当日に向けて状態を上げるだけ。ベルトを巻くことしか考えていません」と言い切る。
 何度も心が折れそうになったのも事実だ。それでも「アマチュア時代を含めて王者になったことがない。タイトルを取りたい一心でやってきた」。不屈の闘志は沢田のストロングポイントだ。
 油断もない。「試合までにもっと強くなる。勝って今までの不運を笑い飛ばしたい」。機は熟した。自らの拳で最高の瞬間をたぐり寄せる。(神馬崇司)

■プロフィール

沢田 京介(さわだ・きょうすけ)1988年2月16日、石狩市生まれ。中学3年の春、札幌市のK&Kボクシングクラブで競技を始める。札工高3年時に全国選抜とインターハイで準優勝(ライトフライ級)。日大に進学し、3年時には国体でベスト4(バンタム級)。プロデビューは2013年4月。プロ18戦14勝(6KO)2分け2敗。右ボクサーファイター。167センチ53キロ。血液型AB。家族は妻と2男1女。

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