ファイターズ
2022/07/09 00:25

プロ注目の弟から刺激 石井が延長十回V弾「お互い高め合っていければ」

2―2の延長十回2死二塁で勝ち越しの4号2ランを右翼テラス席に運んだ石井。一回の適時打も含め、3安打3打点と大暴れした

■日本ハム4-2ソフトバンク(8日、ペイペイドーム)

 猛烈に追い上げてきた首位のソフトバンクを一振りで黙らせた。同点の延長十回、試合を決めたのは石井一成内野手(28)だった。2死二塁で、カウント1―1から津森の低めスライダーを強振。右翼ホームランテラスに飛び込む値千金の4号2ランだった。殊勲打のヒーローは「あんなに飛ぶとは思っていなかったですけど、何とか気持ちも乗ってスタンドまで行ってくれたので良かったです」と喜びをかみしめた。

際立つ勝負強さで得点圏打率は.358

 今季は開幕当初から勝負強さが際立っている。66試合に出場し、打率は.246だが、本塁打4本はシーズン最多タイで、28打点はすでにキャリアハイだ。得点圏打率も.358と高い。「(チャンスで)燃えるというか、より集中できるというか…。たまたまですけど」と謙遜したが、数字が進化を証明している。

弟・巧(中大3年)も先月サヨナラ打!

 6月22日には、プロも注目する弟の巧(中大3年、内野手)が一足先に劇的な活躍を見せていた。東都大学野球の1、2部入れ替え戦の九回に1部残留を決めるサヨナラ打。兄が掛けた言葉は「ナイスバッティングくらいです」とシンプルだったが、わが事のようにうれしかった。この日、自らもチームを救う劇弾を放ち「弟の活躍も刺激になるし、お互い高め合っていければ」と穏やかに笑った。

 最下位に低迷し、多くの借金を抱えているが、関係ない。手に汗握り、一瞬に全力を尽くしている。指揮を執っていた新庄監督も同じ。石井が打った瞬間、思わずベンチを飛び出し、人さし指を突き上げながら打球の行方を見つめた。ボールがスタンドインすると、両腕を突き上げ、大喜び。「何がいいかと言うと、ホームラン打つ前のファウル。あのスイングがあったからホームランがある。間違いないと思う」と独自の視点で教え子を褒めたたえた。

 ビッグボスが掲げるサバイバルはまだ終わらない。それは、石井も十分に分かっている。「好調でも何でもないですけど、1試合1試合、貢献していく。1打席1打席集中するだけです」。高い身体能力を携えた6年目内野手は今、プロ野球人生のターニングポイントを迎えている。

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