ファイターズ
2022/07/09 23:45

伊藤大海〝小化けフォーク〟冴えた プロ最多135球熱投で7勝目

プロ入り最多135球の熱投で7勝目を挙げた伊藤

■日本ハム7ー2ソフトバンク(9日、ペイペイドーム)

8回2失点で首位タカ封じ

 新たな境地を開いた。先発の伊藤大海投手(24)が「明らかに違うことをする」と予告していた通り、スプリットとは異なる〝小化けフォーク〟を駆使して、ソフトバンク打線を8回2失点に封じた。プロ入り最多135球の熱投で7勝目。チームのカード勝ち越し、3連勝の立役者になった。

 一回に安打の後、自らの悪送球でピンチを広げ、柳田に2点適時打を浴びた。しかし、二回以降は立て直した。気迫を前面に押し出し、追加点を阻止。「先制点を与えてしまって、野手のみなさんに迷惑を掛けたんですけど、いい守備もあり、いい打撃もあり、最後まで支えられたので、何とか少しでも長いイニングと思って投げました」

加藤&ポンセの助言効いた

 球速130キロ前後、回転数1000を目安にしたフォークがアクセントになった。握りはスプリットよりも深く挟む。フォークを武器にしている加藤やポンセに助言を求め、練習で試行してきた。本格的に使うのは大学生以来だったが、スライダーやスプリットを生かす意味でも、効果的だった。

 引き出しがまた一つ、増えた。侍ジャパンで共に戦い、親交を深めた千賀の「お化けフォーク」をもじり「意外と使えるかなと。小化けフォークぐらいには」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

BIGBOSSと以心伝心

 七回を終え、121球を投げていた。この回で力を出し切るよう指示を受けていたが、ベンチに戻ると、新庄監督の姿が目に入った。「ビッグボスがまだいけるでしょ、という顔をしていたので、もう1イニング、いかせてもらいました」。はっきりと言葉で伝えられなくても、空気を読み、続投を志願した。

 心と体のスイッチを入れ直した。八回は周東、牧原大、柳田を3人でピシャリ。精神力の強さをまざまざと見せつけ「もう最後は気持ちだった。球数も全然気にしないで、いかせてもらったからには気にせず投げようと。ランナーが出たら代えられると思った。出さなくて良かった」とひと安心していた。

 前回2日の完封劇に続き、この日もチームの勝利が決定的になるまで、マウンドを譲らなかった。8日の試合で八回途中133球を投げた上沢に触発されるように、もう1本の柱もエース級の輝きを放った。

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい