北青鵬が十両初白星「悔しい思いばかりでした。今場所こそ」元白鵬・間垣親方のゲキに発奮
大相撲名古屋場所2日目は11日、名古屋・ドルフィンズアリーナで行われ、モンゴル生まれ、札幌育ちの西十両13枚目・北青鵬(20、札幌出身=宮城野)が関取初白星を奪取。東14枚目の千代栄(31、九重)を寄り切りで下し、1勝1敗とした。
スピード出世もコロナ全休、けが休場…再び幕下からはい上がった
北青鵬が快勝だ。立ち合いで瞬時に右上手をたぐり寄せ、千代栄の突進を食い止めた。続けざまに体を密着させて左下手をつかむと、もう十分な形。じっくりと力強く寄り切った。「右上手は狙っていました。思い通りの相撲」。満足げに振り返った。
記念すべき関取初勝利だった。序の口デビューから3場所連続で各段Vを果たし、昨年7月の名古屋場所は幕下で全勝V。所要7場所でのスピード出世で十両昇進を決めた。
だが、同9月の秋場所は新型コロナウイルスに感染したため全休。同11月の九州場所で十両の土俵に上がったものの、初日に右膝を負傷した。検査結果は右膝蓋(しつがい)じん帯の損傷。再び休場を余儀なくされ、今年1月の初場所は西幕下12枚目まで番付を落とした。そこからはい上がってきた。
「悔しい思いばかりでした。今場所こそ、と稽古してきた」。初日は敗れたが、連敗は阻止。圧勝で念願の1勝を手にし、五分の星とした。
「また十両から落ちたら、もう弟子とは思わないぞ」師匠の言葉に心震えた
師匠の言葉に心が震えた。元横綱白鵬の間垣親方(37)に見いだされ、角界入りした。今年1月、その親方から、きっぱりと言われた。「また十両から落ちたら、もう弟子とは思わないぞ」。これ以上ないゲキだった。
今場所前には、まわしを着けて毎日のように稽古相手になってくれた。「また肌を合わせていただいた。いろいろと学べました」。身も心も万全に仕上げられた。
「まずは勝ち越し。そして十両優勝を狙う」。ここからが本領発揮だ。第2の故郷・北海道の空をイメージし、新調した水色のまわしで白星を積み重ねていく。