高校野球
2022/07/16 23:07

滝川西 手負いの1勝 延長十四回の死闘制した

延長十四回無死一、二塁、決勝打を放った滝川西の岩崎

▽全国高校野球選手権北北海道大会1回戦 滝川西3ー1網南丘(16日、旭川スタルヒン)

 北大会1回戦で、昨夏4強の滝川西が3時間を超えるタイブレークの末に3―1で網南丘に勝利した。延長十四回無死一、二塁で岩崎結哉主将(3年)が、右足をつりながらも決勝の左前打を放った。

岩崎主将が決勝打直後に担架で退場

 〝常笑軍団〟滝川西が、試合終盤に出場メンバーほぼ全員が足をつる緊急事態を乗り切った。両校合わせて3度担架が登場する死闘を制し、小野寺大樹監督(46)は「よくこのピンチを何度もしのいでくれた。全員で戦って得た勝利。選手に感謝したい」とナインをたたえた。

 均衡を破ったのは、手負いの主将の一撃だった。岩崎の体は延長十三回の守備で既に悲鳴を上げていた。直後の十四回、決勝打を放つと、一塁到達までに3度転倒。一塁ベースに倒れ込み、そのまま担架で運ばれ医務室へ。1死後、今度は七回から救援登板した斉藤武瑠投手(3年)も、打撃直後に一塁線上で倒れ込み凡退。小野寺監督は「もう出る選手がいないぐらい」と、ベンチ内はぎりぎりの状態だった。

 ただピンチの場面でも、マウンドに集まるメンバーの表情は柔和だった。兵庫隆之介捕手(3年)は「どんな状況でも勝てるという思いなので、ピンチでも笑顔を絶やしません。伝令できた田中(温士)も、いい笑顔で声をかけてくれる」と、笑顔の〝声かけ〟で自然と肩の力が抜けていた。

 兵庫は盗塁を3度刺し、2度の犠打も阻止。さらにけん制死も奪うなど、何度もピンチを防ぎ「自分が守備の要。しっかりしないと、周りも成り立ってこない」とフル回転した。

 激戦の疲れを癒やすことなく、4強入りを懸けて武修館との準々決勝が待ち構える。兵庫捕手は「この接戦をものにできたのは、明日にもつなげられる」。5年ぶりの頂点へスマイルパワー全開で突き進む。

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