ファイターズ
《荒木大輔のズバリ解投》苦しい先発事情 伊藤大海と若手に高まる期待
■日本ハム3-4西武(17日、札幌ドーム)
先発した伊藤は立ち上がりから、バランスが良く、適度に力も抜けていた。だが、六回につかまった。もともと先発投手にとってインターバル明けの六回は難しいイニングだ。加えてチームは連勝中。プレッシャーもあっただろう。前回の135球を含め、ここまで登板4試合連続で球数が100球を超えていた。疲労も影響していたのかもしれない。
ただ、光明もあった。握りが浅く、スプリットのような変化をするフォークを使いこなしていた。深く握らない分、コントロールが安定。早いカウントからでも投げられ、うまく打者に意識付けすることができていた。大きな収穫だ。
投手の台所事情は、より苦しくなった。上沢と加藤が離脱。伊藤にかかる期待はさらに高まる。それでも結果を出せるだけの力は備わっている。2年目の今季、それだけ安定した投球を続けている。
一方で、苦境はチャンスでもある。ファームから、先発に抜てきされる投手が出てくるだろう。前回好投し、プロ初勝利を飾った田中はその筆頭候補。根本も名前が挙がるはずだ。若手にとっては、またとない機会が巡ってきた。投手力を底上げするためにも存分に力を発揮してもらいたい。
(本紙評論家)