高校野球
2022/07/17 23:30

旭東35年ぶり4強導いた扇の要・秋山が汚名返上の3安打

35年ぶりの北大会準決勝進出を決め、スタンドに向かって駆け出す旭東ナイン(撮影・小川正成)

▽全国高校野球選手権北北海道大会準々決勝 旭東7-0帯大谷(17日、旭川スタルヒン)

 悪天候の中、南北計3試合が行われた。北大会準々決勝は、旭東が昨夏準Vの帯大谷に7―0の七回コールドで勝利した。1回戦は無安打だった5番・秋山瑠斗捕手(3年)が3安打2打点と爆発。35年ぶりの準決勝進出に貢献した。

1回戦で唯一無安打「次は打ちます」中1日で修正

 1回戦で21世紀初勝利を挙げた旭東が、今度は帯大谷をねじ伏せた。

 打線は10安打7得点、投手陣も七回に一度、得点圏に走者を許しただけの0封継投。佐藤俊行監督(43)は「(主将の)今津が打てないときに、他の選手がカバーするのもチームのいいところ」と、ワンマンチームではない事を証明した。

 扇の要・秋山が有言実行で名誉挽回した。1点リードの三回2死二塁で、内角膝上近くの直球を引っ張り左翼線を破る適時二塁打。さらに五回、七回と続けてスコアボードにHランプをともした。1回戦ではスタメンの野手8人中、秋山だけが無安打。「もっと楽に勝ち切れるゲームだったのに、自分が打てなかった」と、試合後、佐藤監督に「次は打ちます」と宣言。中1日で修正し、「ここで打てたのは、すごい自信になる」と頬を緩めた。

 活躍を見せたい人がいる。ここまで育ててくれた母・広美さん(51)だ。普段は仕事が忙しく、「練習試合は全然来られないし、公式戦では活躍した姿を見せたい。それがうまくいく場合も、空回りする場合もあった」と照れ笑いを浮かべた。

創立120年悲願の聖地へ「勝ち切りたい」

 いよいよ初の聖地へ、マジック2。53年ぶりの決勝進出を懸け、23日に滝川西と武修館の勝者と対戦する。「僕たちの目標は甲子園。一回も出てないので。(準決勝は)あくまでも通過点。次も勝ち切りたい」。創立120年目の夏、OBの名を冠するスタルヒン球場に、後輩たちが新たな歴史を刻み込む。

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