9球団のスカウトに見せつけた!苫中央・斉藤が105球の省エネ完封
▽全国高校野球選手権南北海道大会1回戦 苫中央4ー0とわの森(19日、札幌円山)
南大会1回戦は、2年連続7度目出場の苫中央がとわの森を4―0で下し、11年ぶりの1勝を挙げた。先発した最速151キロのプロ注目右腕・斉藤優汰投手(3年)が、NPB9球団のスカウトが見守る中、8奪三振の完封劇。1週間500球の球数制限がある中、変化球を多めに組み立てる105球の省エネ投球で初戦を乗り切った。
「勝ったのはうれしいが、まだここで終わりじゃない」
プロ注目右腕・斉藤が、2季連続で道大会初戦突破をもぎ取った。4点リードの九回、一気にギアを上げると、最後は連続空振り三振斬り。「勝ったのは素直にうれしいが、まだここで終わりじゃない」と、気合を入れ直した。
目指す投手像に近づいた。雨天順延の影響で、勝ち進めば、1週間以内にあと2試合を戦わなければならない。しかし、球数制限に関して、「この試合を勝たないと次はない」と、余計なことは頭の中から一切捨て去り、マウンドへと向かった。
この日の最速は147キロ。支部では2戦18イニング29奪三振と豪腕ぶりが際立ったが、とわの森打線に対しては、変化球を普段より多めの組み立てにした。「変化球でカウントを取って、リズムをつくっていくのが自分の理想の形。ゴロを打たせてアウトを取れ、その辺は成長している」と、結果的に球数を増やさなかったことも含め納得いく投球内容となった。
仲間が戻るまで次戦も腕を振り続ける
大会前、新型コロナで西村隆星投手(3年)と、倉橋来輝夢内野手(3年)がベンチを外れた。特に、西村投手は、斉藤が岩見沢・日の出リトルタイガースの捕手時代にバッテリーを組んだ幼なじみ。2人は22日に再合流の見込みで、20日の準々決勝を勝ち上がれば、25日予定の準決勝はベンチ入りが可能となる。「2回勝って、西村と倉橋をベンチに入れたいのがチーム全体の思い」。仲間が戻るまで、エースがマウンドで腕を振り続ける。