コロナ禍さらなる試練 松本剛が左膝負傷で途中交代 痛すぎる3連敗
■日本ハム1ー7オリックス(19日、京セラドーム)
ビッグボス不在…山田コーチが監督代行
屋台骨が揺らぐほど、コロナの影響は大きかった。18日に新庄剛志監督(50)が陽性判定を受けたことで、首脳陣の大がかりな役割変更を余儀なくされ、山田勝彦バッテリーコーチ(53)が監督代行を務めた。しかし、非常事態に陥ったチームは攻守の歯車がかみ合わず、3連敗。さらに頼みの綱の松本剛外野手(28)が左膝負傷で途中交代し、不安を増幅させた。
限られた時間で知恵を絞り、適材適所を見極めながら戦闘準備を整えた。18日に判明した陽性者は11人。全員無症状も当面は隔離療養となった。林ヘッドコーチ、金子野手総合兼打撃コーチらも不在。攻撃のサインやリクエスト、投手交代などもこなした山田監督代行は「僕は守りを中心に考えていましたけど、攻撃も含めて大変だなと。やっぱり監督というのは攻撃、守り両方考えないといけない」と再確認していた。
現場を離れることになったビッグボスから「好きなようにやってください」とアドバイスを受けていた。ただ、そばで見ていた野球を変えるつもりはなかった。「ボスがここまでチームを変えてきましたから、好きなようにはやれないですけど、ボスの意向に添いながらも僕らで考えて必死にやりたい」
大量11人の入れ替えもチーム機能せず
選手は宇佐見、谷内らが陽性となり、新型コロナ特例2022の適用を含め、大量11人の入れ替えが行われた。ドタバタの中で始まった試合は、厳しい展開となった。先発の田中が序盤につかまり、5回5失点。打線は主軸の近藤が適時打を放ち、意地を見せたが、4番の野村、5番の清宮に当たりが出ず、機能しなかった。
予期せぬアクシデントも起きた。三回の打席で左膝に自打球を受けた松本剛が、裏の守備で途中交代。足を引きずるようなしぐさを見せてベンチへ下がり、大阪市内の病院へ向かった。パ・リーグ断トツトップの打率.355をマークしている大黒柱が離脱となれば、これ以上ない痛手だ。
ただ、ビッグボスの意志は、首脳陣に浸透している。苦境を迎えても、下を向くことはない。山田監督代行は決意を込めた。「負けて悔しい。それは決まっているんですけど、選手たちが最後まで諦めずに声を出して、元気を出してプレーしている姿を見たら、大丈夫だなと。あしたにつながるんじゃないかなと感じました」。心が折れそうな現実にも、真っ正面から立ち向かう。その先に必ず、希望はある。