木田監督代行の初采配はノーノー阻止がやっと…コロナに故障で止まらぬ負の連鎖
■日本ハム0-2オリックス(20日、京セラドーム)
山田監督代行が陽性〝代行の代行〟として緊急合流「全く想定していなかった」
屈辱的な結末は、必然だったのか―。戦う前から暗雲が立ちこめ、チームは厳しい状況に置かれていた。新型コロナウイルスの感染拡大が、収まらない。新庄剛志監督(50)に続いて、山田勝彦監督代行(53)も陽性に。〝代行の代行〟として千葉鎌ケ谷から急きょ、木田優夫2軍監督(53)が合流した。
2試合続けて指揮官を変更する異例の事態だった。1軍首脳陣7人が療養に入る中で、山中2軍バッテリーコーチも1軍入り。2軍はコーチ4人を残すのみだ。試合開催のため、体制を整えるだけで精いっぱいの裏事情があった。
大役を任された木田監督代行は「全く想定していなかったし、ただただ驚いた。チームが本当に大変な状況なので、少しでも貢献できるように」と力を込めた。しかし、満身創痍(そうい)のチームとシンクロするように、苦しい戦いが待っていた。
椋木に脱帽「映像よりもいいボールをたくさん投げていた」
打線は、プロ2度目の先発だったオリックスドラ1ルーキーの椋木に手も足も出なかった。三振、凡打の山を築き、攻略の糸口をつかめない。九回2死まで無安打。スタンドが1球1球にどよめく、異様な空気の中、代打の佐藤が中前打を放ち、ノーノーを回避するのがやっとだった。
1軍初采配となった木田監督代行は「みんな初対戦で、映像とかデータは見ているけど、正直に言って、映像よりもいいボールをたくさん投げていたと思うので、それにやられた部分がある」と潔く認めた。狙い球を絞れないまま、回が進んだ。揺さぶることもできず「どの球種も安定して投げてきたので、なかなか対応するのが簡単ではなかった」と反省の弁を続けた。
松本剛、上川畑にアルカンタラ…打線の主力欠き4連敗
打線をけん引してきたパ・リーグ首位打者の松本剛が左膝蓋(しつがい)骨下極骨折で戦線離脱。試合復帰まで4週間の見通しとなった。また、この日は池田、上川畑、アルカンタラとスタッフ1人の陽性が判明。「コロナ感染拡大防止特例2022」の適用者を含め、1、2軍で大量10人の入れ替えを行った。コロナと故障が折り重なるように増えていく。
数字以上に重たい4連敗となった。隔離療養期間が終わるまで、ビッグボスを頼ることもできない。一寸先は闇だが、試合は続く。例え結果で報われなくても、今は必死にもがくしかない。