木田監督代行「チーム全体で乗り越えていくしかない」松本剛に続き野村も抹消…重すぎる5連敗
■日本ハム3-4オリックス(21日、京セラドーム)
急造打線で粘り見せるもあと1点「ベンチとしてもう少し考えられるところあった」
一手、詰め切れなかった。左膝を骨折したパ・リーグ首位打者の松本剛外野手(28)に続き、この日はチーム打点トップの野村佑希内野手(22)が発熱のため、「新型コロナ感染拡大防止特例2022」を適用して登録抹消となった。やりくりさえも難しいスクランブル打線は粘りも見せたが、あと1点が遠かった。
あわやノーヒットノーランの屈辱的な1安打完封負けから一夜明け、巻き返しを期した。2点を追う八回。四球と安打で1死一、三塁となり、近藤の一塁強襲の適時打で1点差に迫った。同点、逆転の期待が高まる中、野村に代わって4番に入った今川が二ゴロで、この試合2つ目の併殺打。絶好機をつぶした道産子スラッガーは腰に手を当てて立ち尽くし、悔しさにうちひしがれていた。
2試合目の采配となった木田監督代行は「全員精いっぱいやっているので何とも言えないですけど、ただベンチとしてもう少し考えられるところがあったのかなと、反省しているところはあります」と厳しい表情を崩さなかった。継投や代打を含め、選手の起用法や作戦など、まだ工夫の余地があると認めた。
前日から近藤を除き打順総入れ替え 飛車角落ちで暗中模索
選手会長も務める3番の近藤が健在なのは、せめてもの救いだが、ほかの打順は20日の試合から総入れ替えとなった。規定打席に到達しているのは、松本剛と野村だけで、その2人を欠けば、飛車角落ちのような戦いを強いられる。しぶとく勝機を探り、敵陣深くまで攻め入っても、息の根を止められなかった。
守備でも、ほころびは出た。同点に追い付かれた六回1死二、三塁。野村の定位置の三塁で出場した郡がゴロを捕球したが、野選と本塁悪送球で2失点。本職は捕手のユーティリティープレーヤーも、今季は1軍では一度も内野を守っていなかった。とっさの判断が求められる難しい局面で、悔やまれるワンプレーとなった。
チームは7連勝の後に5連敗。未曽有の窮地は続く。木田監督代行は不安を打ち消すように「体調不良でいなくなるというのはチームにとっても本人にとっても苦しいことだと思う。本当にチーム全体で乗り越えていくしかない」と声を絞り出した。どこまで踏ん張れば、希望は見えるのか―。今は何よりも、一つの白星が欲しい。