《河合CRCの竜の眼》攻撃サッカー忘れるな―上に行けるメンバーは揃っている
フリーランに複数人の連係 シュートまでのプロセスを大事に
これまで大量失点が多かった中で、ホームでの鹿島戦(10日、0―0)はしっかり無失点に抑え、守備の改善ができていた。攻撃面も前半20分に良いコンビネーションからの「崩し」があった。
MF宮沢が相手陣地の右サイドで起点となり、エリア手前にいたFW興梠が、パスをスルーして裏に抜け出したMF金子にワンタッチパス。惜しくもシュートまでは至らなかったが、GKとの1対1の場面をつくり出した。3人の意思疎通が取れ、非常に良い形でチャンスをつくっていた。
個人での突破や、もう少し攻撃に厚みを持たせることができていたら、もっと得点機はつくれていただろう。ホームということで気持ちは入っていたし、2位の鹿島を相手に90分、ファイトした本当に良い試合だった。
アウェー柏戦(16日、0―1)は、札幌が中5日で相手が天皇杯の試合のために中2日。コンディション的には断然優位だったし、前半3分の失点以外は危ないシーンが無かったので、少しもったいない試合だった。
失点の場面は一発で裏を取られたもの。相手陣地からのロングボールで金子のマークだったが、蹴った選手がフリーだったので、もう少し自分でポジションを工夫するか、味方のDFにマークを受け渡す必要があった。札幌はマンツーマンでリスクをかけてやっているので、DFとお互いに声を掛け合ったり、突き詰めていくことが重要だ。
この試合のシュート数は相手の3本に対し、札幌は12本だったが、そこまで崩しきれなかった印象。もっとフリーランを増やしたり、鹿島戦で見せた複数人での連係を多くしたりして、シュートまでのプロセスを大事にしたい。
代表戦のため、30日の名古屋戦まで期間が空く。もう一度、自分たちのサッカーに立ち返る時間にしてほしい。攻撃サッカーを忘れてはいけない。選手同士で話し合い、お互いに要求し合うことも大事。自分たちの長所を出し合えば、上に行けるメンバーは揃っている。2012年も勝てなかったが、常に話し合い、バラバラになることはなかった。純粋にサッカーを楽しむ気持ちを忘れず、ミスを恐れず、チームのために戦い、皆で同じ方向に向かってもらいたい。
(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)