旭東53年ぶり決勝進出 11度目挑戦で初の聖地へ
▽全国高校野球選手権北北海道大会準決勝 旭東7ー5滝川西(23日、旭川スタルヒン)
31年ぶり旭川対決
北大会の準決勝2試合が行われ、決勝は31年ぶりに旭川対決となった。旭東は滝川西を7―5で下し、53年ぶりに決勝進出。2番・丹代暁二塁手(3年)が2安打1盗塁で3得点に絡んだ。旧制・旭川中時代を含め、夏の道大会では過去10度決勝に進んでいるが全敗。創立120年目の節目に歴史を変えるチャンスが巡ってきた。
丹代「自分たちの代で歴史を塗り替えたい」
旭東が初の甲子園へ11度目のマジック「1」をともした。好機を演出し、3度ホームに生還した丹代は「うれしい。自分たちの代で歴史を塗り替えたい、とやってきた」と、史上5度目の旭川決戦となった決勝に挑む。
丹代は中学硬式の旭川北稜リトルシニアで全国大会にも出場した。高校に入ると1年夏にただ一人、1桁背番号で三塁手でデビュー。しかし、旭大高との支部代表決定戦では1点リードで迎えた九回の守備で自らの失策からピンチを広げて逆転負け。「自分のせいで3年生を引退させてしまった。その時の3年生が頑張れよって言ってくれた」と、敗れた先輩の思いも胸にグラウンドに立つ。
世陸・女子やり投げ銅のOG北口から刺激
試合前、OGの北口榛花(24)が陸上世界選手権女子やり投げで、日本勢初の銅メダルを獲得。佐藤俊行監督(42)は22日に予選をトップ通過した際、北口の笑顔の写真を野球部のグループLINEに「みんなと同じ、いい笑顔だね」とコメントを添えて送信。準決勝の前も「先輩、頑張っているから頑張ろうな。これも追い風だな」と話してチームの士気を高めた。丹代は「東高から世界で戦っているのは自分たちにもすごい励みになる」とナインも刺激をもらっていることを明かした。
決勝で戦う旭大高とは新チームになってからの練習試合で1勝2敗。直近の試合で勝利を収めた。丹代は中学時代のチームメートが旭大高に複数おり「決勝で元チームメートとできるのは、めちゃくちゃうれしい。一人一人が最高のプレーをしないと勝つことは厳しい。そのためにみんなで全力で1勝をつかみにいきたい」。過去10度の準優勝で涙をのんだ歴史に、今度こそ終止符を打つ。