ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》 みんなでもぎ取った七回の1点 段階を踏んだ選手の成長著しい
■日本ハム5-4ロッテ(24日、札幌ドーム)
初回に4点を奪い、追い上げられた。23日と似た展開で、逆転負けの記憶がよぎったはずだ。同じ悔しさを味わってたまるか―という開き直りがあった。七回に清宮の内野安打で勝ち越したが、みんなでもぎ取った1点だった。選手それぞれのいい粘りが見られた。
ビッグボスの言葉のマジックが効いている。「球宴明けにメンバーを固定する」と伝えたことで、いい意味でプレッシャーがかかった。コロナの影響で代替指名選手になった鎌ケ谷メンバーも、ラストチャンスとばかりに発奮。やっと、結果がついてきた。たかが1勝、されど1勝だ。
今年はキャンプ、オープン戦を通じて楽しむことにこだわり、初心を思い出させた。シーズンが始まると、野手にはバットを出す習慣を付けさせ、投手には出し惜しみしないことを求めた。勝つための野球に移行すると、厳しい言葉をかけて、高い意識を植え付けようとした。
7月中旬には7連勝があった。大型連勝できるチームになってきた。前半戦を総括し、段階を踏んだ選手たちの成長が著しいと強く感じた。ビッグボスは、球宴明けのメンバー固定を先送りにするかもしれない。それくらい、選手が必死にアピールする姿を見せた。(本紙評論家)