■Ｆリーグ第６節　エスポラーダ北海道１ー１湘南（２４日、北ガスアリーナ札幌４６）

　エスポラーダ北海道がＦリーグの札幌開幕戦で３位の湘南と引き分け、連敗を４でストップさせた。後半７分に先制点を許す展開となったものの、残り３分を切ったところでパワープレーを選択、ＧＫからＦＰに転向した坂桂輔（２４）が今季初得点。５試合ぶりに勝ち点を手にした。エスポラーダは今季通算１勝４敗１引き分けで順位は１０位のまま。

ＧＫからＦＰ転身の坂が〝起死回生弾〟

　ＧＫからＦＰへと異例の転身を遂げた坂が目前に迫った５連敗の危機からチーム救った。連敗脱出に向けて是が非でも同点弾が欲しいエスポラーダは残り時間３分を切った後半１７分、ＦＰがＧＫに替わって出場するパワープレーを選択。ＧＫのユニホームを着用したＦＰ室田、ＦＰ小原とつないだボールが相手選手に当たってゴール前でこぼれると、坂が冷静に左足を振り抜き、ゴール。自身、今季初得点を決めた。

　坂はＦＰに転向して最初のシーズンとなった今季、リーグ戦５試合を消化するも、いまだゴールネットを揺らすことが出来ていなかった。「思い描いていた自分とはほど遠い状況」と言うように、シーズン序盤は、歯がゆい時間を過ごしてきた。

　こうした中、チャンスは後半に巡ってきた。前半、チームの精神的柱で今季すでに４得点を挙げている鉄人・水上がケガで退場。危機的状況の中で坂が後半から出場。「好機は結構作れていた。あと１、２回ゴールチャンスがあると信じていた」というように、虎視眈々と初ゴールを狙っていた。

　５試合ぶりの勝ち点１を挙げたエスポラーダ。それでも順位は１０位のままで上位には勝ち点で水をあけられている。金井一哉監督は「どうやって優位性をもってゴール前に侵入するのかも含めた決定力が大事」と、得点力アップが勝ち点３獲得に向けた最大の課題と指摘する。

　キャプテンの室田も「はじめて出場した選手、ゴールを決めた選手がいた。メンバー争いが激しくなれば、おのずと成長できる」とチームでの競争激化を歓迎。今季の目標として１０得点を自身に課す坂は「とにかくもっと点を獲りたい」とし、まずはチーム得点王の座を狙う。