高校野球
知内147キロ左腕・坂本 聖地に一歩届かず プロ志望届提出へ
▽全国高校野球選手権南北海道大会決勝 札大谷7ー2知内(26日、札幌円山)
7回5失点「決勝は簡単な場所ではない」
知内町民約4000人の夢を背負って力投した坂本拓己投手(3年)だったが、7回5失点で力尽きた。試合後は「決勝に来ると、そう簡単にうまくいく場所ではないな」と、こみ上げる涙を抑え切れなかった。
三回の3失点が重くのしかかった。準決勝まで3戦連続完投。最速147キロの直球は、影を潜めた。1死から四球を許すと3連打と犠飛で3失点。「真っすぐをコースに投げても、低めのスライダーも、きのうまでは空振りが取れたけど、当てられた」。それでも大会屈指の強力打線に立ち向かい、四、五回と無失点。六、七回に1点ずつ失うと、八回からは支部大会まで必勝リレーを組んでいた馬躰光瑛右翼手(3年)にマウンドを託した。
今後はプロ志望届を提出する意向だ。プロ入りすれば、奥尻島出身では、奥尻中から函有斗、日大を経てプロ入りした通算165勝の佐藤義則さん(67)以来。高校生からとなると初の快挙だ。「真っすぐが得意で投手をやっている。強気で投げられるかが大事。課題をつぶして、もっと良い投手になりたい」。小さい頃から憧れてきた夢を必ずかなえてみせる。