超スローカーブでセ界を幻惑 伊藤大海球宴デビューで3人斬り
■マイナビオールスターゲーム第2戦 全パ2ー1全セ(27日、松山)
ファンどよめき「佐々木朗希くんには及ばないかも」
初出場の夢舞台で、伊藤が大きなインパクトを残した。計測不能のスローカーブ、その名も『間欠泉ボール』を繰り出し、球場に集まった2万5230人のファンをあっと驚かせた。「佐々木朗希くんの160キロを超えた時には及ばないかもしれないけど、ちょっとしたどよめきとかあったので、良かったかなと思います」とニンマリだ。
八回に全パ8番手でマウンドへ。2死からビシエド(中日)に投じた初球は、大きな弧を描いてキャッチャーミットに収まった。その瞬間、球審と同時に右手を横に突き出してストライクコール。「やっと(ストライクが)入りました。入ったらセルフジャッジやると決めていたので、息ぴったり合ったので良かったです」と、ちゃめっ気たっぷりに振り返った。
故郷・鹿部町にあやかり命名「間欠泉ボール」
先頭・坂倉(広島)の初球から魔球を投じた。北海道遺産に選ばれた故郷・鹿部町の間欠泉にあやかって名付けられたスローカーブ。1球で右飛に仕留め、対戦を熱望していた同じ2年目の佐藤輝(阪神)には一転して真っ向勝負を挑んだ。大学日本代表の元チームメート相手に「結構良かった」という直球でグイグイ押し、最後は150キロで見逃し三振を奪った。
宣言通り「いつもの3倍くらい」増し増しの『追い追い追いロジン』も披露した。「ドーム球場じゃないと粉感を演出できなかった。風で流れてしまった」と『爆煙投法』とまではいかなかったが、マウンドで白い粉をいつも以上に舞わせた。
年に1度の祭典を満喫した。登板予定がなかった26日の第1戦は、キュートな小道具で大いに盛り上げた。清宮と1個ずつ「きつねダンス」の「耳カチューシャ」を持参。四回裏終了後の「きつねダンス」コーナーでは、「爪痕を残そうかな」ときつね耳を装着して自身も参戦した。
ノーノー右腕・東浜からヒント授かる
後半戦に向けて、一流選手からヒントを授かった。今季ノーヒットノーランを達成したソフトバンクの東浜と話し込む場面もあり「今、悩んでいる部分だったり、いろんな考え方をいただけたのでプラスにできたらと思う」。詳細については伏せたが、マウンド上での考え方など大きな学びを得たようだ。
「気持ち的にもリフレッシュできた。また、楽しく野球する気持ちを思い出したので、それをしっかりできたらなと思います」
前半戦最後のマウンドとなった24日のロッテ戦(札幌ドーム)から中2日の登板。ハードな日程だったが、エンターテイナーぶりを存分に発揮した。伊藤にとって、この2日間の経験は大きな財産となるだろう。