高校総体ボクシング 札創成の川上&神田が全国初制覇目指す
▽全国高校総体(27日、高知・南国市立スポーツセンターほか)
組み合わせ決定
ボクシングの組み合わせ抽選が行われた。札創成の主将・川上真生(3年、ライト級)は29日に奥村将真(3年、大阪・興国)と、神田輝大(3年、バンタム級)は、28日に後藤海星(3年、大分工)と1回戦を戦う。昨年11月に就任したロンドン五輪代表の鈴木康弘監督(34)指導の下、創部4年目で同校初の全国制覇を目指す。
29日初戦の川上「うまくかわして対応したい」
これまで支えてくれた人たちへ、恩返しとなる全国制覇を狙う。対戦相手が奥村に決まった川上は「選抜にも出ていた選手。興国高校の選手は力強いボクシングをする。うまくかわして対応したい」と意気込んだ。
昨年はバンタム級で8強の成績を残したが、「兄と同じライト級でやりたい」と、かつて国体3位の兄・海音(駒大3年―旭龍谷高)と同じ階級に挑戦。地元・北海道開催だった3月の全国高校選抜はアウトボクシングを過度に意識し、下がり過ぎて初戦で判定負け。「(試合の)見栄えが悪かった」と反省した。
相手に合わせる「きれいな試合運び」心掛ける
敗北を機に意識を変えた。「いろんなボクシングをできるようにした」と、試合序盤から相手のタイプをうかがい、アウトボクシングとインファイトを使い分けて相手を下がらせる「きれいな試合運び」を心掛けた。成果は十分に発揮され、全国の連続出場を決めた。
中学2年時から指導を受け、絶対的な信頼を寄せる鈴木監督からは「攻めが課題だったが、改善していい方向に進んでいる」と評価を受ける。全国では「厳しい戦いになる。全力を尽くして、悔いのないようにしてほしい。ボクシングはセンスと努力と運。運も大事」と、監督が高校3年時に選抜、総体、国体と全国3冠を成し遂げた先輩としても助言された。
昨年4月に同好会から部に昇格した。今年は父兄らによる後援会も発足し、遠征費やジャージーが提供されるなどバックアップ態勢も十分だ。川上は「選抜ではできなかったけど、一番、大きい大会であるインターハイで優勝して、お世話になった人たちに恩返ししたい」と拳を握った。
神田は28日初戦 接近戦での打ち合いで勝負
初戦の相手が大分工の後藤に決まった神田は「相手が誰であれ自分のボクシングをする」と、まずは1回戦突破を狙う。持ち味は「打ち合いで右ストレートを合わせ、その後に左フックを当てて試合を優位に進めること」。以前は足を使ってポイントを稼ぐスタイルだったが、現在は接近戦での打ち合いに力を注いでいる。鈴木監督からは「普段はおとなしいが主将の川上よりも負けん気が強い。かなり成長している」と太鼓判を押された。
■プロフィール
川上 真生 (かわかみ・まさき) 2004年8月15日、旭川市生まれ。兄の影響で5歳からボクシングを始め、小学6年時にアンダージュニア全日本王座決定戦で優勝。中学3年時には同大会東日本代表決定戦で準優勝した。昨夏の全国高校総体はバンタム級で8強入り。174センチ、60キロ、右利き。
神田 輝大 (かんだ・こうた) 2004年7月18日、石狩市生まれ。日大でボクシングをしていた父・央さんの影響で小学2年からボクシングを始める。中学はバスケットボール部に入部し、ボクシングと両立。今春の全国高校選抜もバンタム級で出場。166センチ、56キロ、右利き。