ファイターズ
後逸の万波を〝懲罰交代〟「あんなことをしていたらレギュラーは取れない」
■日本ハム0-7楽天(30日、楽天生命パーク)
ためらいなく交代「投手の次のプレーのテンションにつながってくる」
ベンチの空気が凍り付いていた。七回、新庄剛志監督(50)はためらうことなく、〝懲罰交代〟を即断した。2死一塁で、万波中正外野手(22)が中前打を後逸。痛恨のタイムリーエラーとなり、相手に決定的な5点目を与えた。いつも穏やかな指揮官の怒りは沸点に達した。主審に交代を告げると、イスに座り、静かにグラウンドを見つめた。
キャンプ中から捕球と送球の動作について口が酸っぱくなるほど、伝えてきたが、守られなかった。ボールは差し出したグラブの下を抜けた。「慌てる必要がないのに。ピッチャーはああいうプレーされたら次のプレーのテンションにつながってくるから。集中力を持ってやってもらわないと。あんなことをしていたらレギュラーは取れない」。突き放すような強い言葉で、猛省を促した。
打線はマー君相手にわずか5安打「こういう日もある」
先発の田中は粘りの投球を続けたが、四球が失点に絡み、5回3失点で負け投手となった。打線は要所でギアを上げてきた田中将に翻弄され、今季15度目の完封負けを喫した。
序盤で先行され、足や小技を含めて策を講じられる展開にならなかった。一方的に押し切られ、新庄監督は「相手もいいピッチャーだし。まあ、こういう日もあります」と潔く結果を受け止めた。
試合開催が危ぶまれるほど、けがやコロナの影響で選手が不足しているが、ビッグボスは苦しい時こそ、必死に戦う姿を求めている。決して、緩慢なプレーは許さない。未来の成長につなげるため、チームにカツを入れた。