■日本ハム４－１ソフトバンク（２４日、ペイペイドーム）

　ラッパーの一面を持つ陽気な助っ人が“ペイペイドームの呪縛”を解き放った。０―０の五回、７番でスタメン出場したＲ・ロドリゲスが均衡を破る第４号ソロを左翼席に突き刺した。これが、ペイペイドームでは実に４０イニングぶりとなる得点。ゼロ行進の不名誉なジンクスを打ち破った。
　初先発だったソフトバンク・杉山の高め直球を振り抜いた。打った瞬間の一撃。興奮気味にダイヤモンドを回り「与えられたチャンスで、集中力を高めて打席に入りました。この日本の地で、チームに貢献できるバッティングができて良かった」と殊勲打を喜んだ。
　９月だけで３本目の本塁打。ようやく、長距離砲として本領を発揮し始めた。好調の理由がある。アミーゴ（友達）と呼び、慕っている谷内から授かったという必殺技「ヤチパワー！」の存在だ。「いつも、どちらのバットがいいのか、聞いている。きょうも（谷内の選んだものと）違う方で打ったらホームランが出た」と目を輝かせた。
　普段は日本語を教わるなど、仲良くしている同僚との不思議な儀式。冗談半分で始まった逆張りだが、効力が本格化し「谷内さんの選択は信じられない。彼のはネガティブパワーだ」と大笑いした。不振でも腐らず、仲間と励まし合ってきた。底抜けに明るいムードメーカーが、エースを救い、チームを救った。（榎本真之）