ファイターズ
伊藤大海 まさか2被弾も粘りの投球で9勝目 「状態だけで言えば今季一番」
■日本ハム6-5ソフトバンク(2日、旭川)
七回途中4失点で2年連続10勝王手「考えすぎて裏目に出た部分も」
道内地方球場で初登板となった伊藤大海投手(24)が、ホームの後押しを受けて粘りの投球を見せた。七回途中6安打4失点(自責2)で今季9勝目を挙げ、2年連続の2桁勝利に王手をかけた。
「状態だけでいえば今年一番くらいの出来だった。その中で6回しか投げれていないのはちょっと悔しい」と反省しつつ、「盛り上がりも良いですし、やっている方としても楽しくできました」と感謝した。
一回に2点を先取してもらったものの、五回以外は毎回走者を背負う苦しい展開だった。二回、味方の失策も絡んで1点を返され、三回には柳田に同点ソロを被弾。再び2点を勝ち越してもらった直後の四回にはグラシアルにソロ本塁打を浴びた。「考え過ぎて裏目に出た部分もありました」。七回、イニング途中での降板となったが、何とか試合をつくった。
家族の前で後半戦初白星「優しくしていない」弟に兄の意地見せた
故郷・鹿部町から車ではるばる観戦に訪れた家族へ勝利を届けることができた。バックネット裏では父・清光さん、母・正美さんと弟・駿航(とわ)さんが背番号17のユニホームに身を包み、声援を送っていた。
中学2年の弟は、伊藤も所属した函館東リトルシニアで野球に打ち込む。「駿航には優しくしていない」と照れるが、プロ入り後は釣り道具一式をプレゼント。「同じ左打ちで、似たような遺伝子なら似たような打ち方かな」と、自身のバッティングの動画を送ってあげるなど気に掛けている。かわいがっている弟の前で兄としての意地を見せ、後半戦初登板を白星で飾った。
チームはエースの上沢が右足骨折で離脱中。7月下旬に手術を受けた先輩に向けて、伊藤はこんなメッセージを送ったという。「戻って来るまで、へばらず待ってます」。その言葉の通り、道産子右腕が先発ローテーションの柱として支える。