冬季スポーツ
小林陵侑 今季初戦、地力の差見せつけ圧勝
■札幌市長杯宮の森サマージャンプ(5日、札幌・宮の森ジャンプ競技場)
今季初戦となる北京五輪スキー・ジャンプ金メダリストの小林陵侑(25、土屋ホーム)が成年男子で貫禄の勝利を飾った。1回目を最長不倒の101.5メートルで飛ぶと、2回目も98.5メートルでまとめ、力の差を見せつけて優勝した。少年は坂野旭飛(下川商高2年)、女子は丸山希(24、北野建設)が優勝した。
1回目、最長不倒の101.5メートル
金メダリストのジャンプを見せつけた。練習不足も何のその。1回目は強風で5番ゲートから3番に落としてのアプローチに。それでも小林はヒルサイズ越えの大ジャンプを披露。会場はどよめきが起こった。「1本目は風が強過ぎて何とも言えないけど流れは悪くない。2本目もそれなりに飛べた」と振り返った。
5月中旬から恒例の宮古島合宿で本格的に始動した。五輪金メダルで一躍時の人となり、合宿後もメディアに引っ張りだこ状態。練習で飛んだジャンプは札幌・荒井山を皮切りに約30本と普段の半分以下だ。
6月にヘッドコーチに就任したマティアジュ・ズパン氏(スロベニア)の指導も受けられていない。飛んでいても「フィジカル強化ができていないので、まだ細かい部分を動かそうとしても動かない。冬に向けて練習が必要」と課題を口にする。それでも見せつけた地力の差。ある意味、この3連戦が絶好の調整の場とも言えそうだ。
今季の大目標は初の世界選手権制覇のはずだが「出られたら楽しみ」とサラリと受け流す。冬シーズンの前にまずは真夏の札幌でファンを魅了する。