ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》先発・田中もう一度投球見直して 色気出すのは10年早い
■日本ハム1-3オリックス(6日、京セラドーム)
日本ハムはここ一番での一球に泣き、オリックスは笑った。どっしりと4番に座り続ける吉田正に、してやられた。一回、田中が逆転2ランを浴びた。追い込みながら、勝負球の直球が外角高めに甘く入った。
七回には宮西が適時二塁打を許した。百戦錬磨のリリーバーだが、こちらも、やや内角寄りの直球が高くなった。失投と言えよう。舞台はプロ野球。一球、ワンスイングの精度が明暗を分けるのは当然だ。
先発の田中はもう一度、自分の投球を見つめ直す必要がある。色気を出すのは10年早い。カウントを整え、相手を仕留める―。そんな投球は求められていないはずだし、まだまだそんなレベルにはない。できないことをしようとすれば、間違いが起こるのは必然だ。
彼の持ち味はスピンの効いた直球。ただただ思い切り投げ込む姿勢が好投を生む。初勝利を飾った試合のように。いいボールがあるからこそ、さらなる成長に期待したい。
三回、2度目の死球を受けた杉本へ、BIGBOSSが歩み寄った。非があるのは自陣。一番の責任者が動き、丸く収めた。決して尾を引くことなく、試合は進んだ。人柄と、普段からの多方面への影響力がなせる技。さすがだ。(本紙評論家)