高校野球
2022/08/06 23:00

旭大高の主砲・鶴羽が大阪桐蔭に一撃食らわす「1球で仕留めるのが大事」

大阪入りしてから打撃が向上しているという旭大高4番の鶴羽

 全国高校野球選手権が阪神甲子園球場で6日、開幕した。出場校の一部に新型コロナの集団感染が発生した影響で、開会式の入場行進は急きょ、各校主将のみに限定して行われた。3年ぶり10度目出場となる北北海道代表の旭大高4番・鶴羽礼一塁手(3年)は、支部と北大会では本調子を欠いていたが、大阪入り後は快音を連発するなど復調気配。10日に行われる大阪桐蔭との1回戦でも勝利に導く一撃を食らわす。

開幕戦を観戦〝魔物〟の存在実感「自分たちも丁寧に」

 主砲のバットが上向きだ。大阪入り後、2日のフリー打撃で鶴羽は左翼柵越えを2発。その後も、試合形式での打撃で長打が何度も飛び出しているという。「捉える打球は増えている。甲子園のレベルになれば、甘いボールは来ない。1球で仕留めるのは大事にしていきたい」と意欲十分だ。

 開会式後、ナインは開幕試合をテレビなどで観戦。鶴羽は「ここで戦うんだという実感がわいてきました。エラーが絡んだ回に点数が入って、がらっと流れが変わった。一つのミス。自分たちも丁寧にいかないといけない」と〝魔物〟の存在を感じ取り、肝に銘じた。

一発にこだわりなし「後ろに山保がいるので、しっかり芯に当てる」

 今夏の予選では6試合で打率.350。「後ろ(5番)に山保がいるので、しっかり芯に当てることを頭に入れている」と、本塁打にはこだわりはない。端場雅治監督(53)は旭川を立つ前、「藤田、鶴羽は春はすごかった。甲子園で速い投手が来ると、(山保より)鶴羽とか藤田とかの方が良いのかな」と、主砲の対応力に期待していた。

 当初、野球は高校までと決めていた。父が介護施設を営み、自身も「自分で一からやりたい」と大学に進学する予定で、成績は特進クラスを除けば学年トップだった。ところが、聖地に足を踏み入れ、あらためて野球への情熱が沸き上がってきた。「まずは甲子園でしっかり戦うこと。そこから自分の中でもう一度、整理していこうかな」。悔いなくやり切った先に、本当の夢が見えてくるはずだ。

 ◆開会式で入場行進した旭大高・広川稜太主将(3年) 「観客で埋まったスタンドが見えると、これが甲子園だなと少し緊張した。歩くうちに少しずつ緊張がほぐれ、ああ、ここで自分も試合をし、プレーするんだ、というイメージが湧いてきた」

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