「2位も6位も一緒」新庄監督が2年目本気のV獲りへ〝全員即戦力ドラフト〟を要望
フロントに異例のお願いだ。日本ハムの新庄剛志監督(50)が今秋のプロ野球ドラフト会議(10月20日)に向け「全員即戦力指名」の要望を口にした。来季を勝負の年と位置づけ、大卒、社会人を中心にすぐに使えそうな投手、野手を優先的に獲得したいと考えている。球団は甲子園のスターを含め、将来性豊かな選手を積極的に指名する「ロマン型」の路線を貫いてきたが、ビッグボスは優勝するために独自戦略を打ち出した。
契約更新を想定「怒られるかな…」反対意見も覚悟
監督の契約は1年だが、更新した場合に備え、来季以降の青写真を描く必要がある。およそ2カ月半後に迫っているドラフト会議は、育成とスカウティングが柱のファイターズにとって、未来を左右する一大イベントだ。
現場の戦力を掌握する新庄監督は「ドラフトは即戦力を取りたいですね。もう、甲子園メンバーじゃなくて。(フロントに)怒られるかな…」と反対意見も覚悟の上で、私案を明かした。
球団の方針は一貫している。他球団との競合を恐れず「その年一番の選手を指名する」。当然、運にも左右されるが、近年はダルビッシュ、中田、斎藤、大谷、有原、清宮らが入団。チームの顔になった。
ただ、日本ハムは2019年から3連連続でリーグ5位。優勝は16年を最後に遠ざかっている。再建を託されたのが新庄監督だ。今季は目先の勝利にこだわらず、種をまき、水をやり、出てきた若い芽を育ててきた。
シビアに勝ちを追求「もうトップしか考えていない」
一転して2年目の来季は、シビアに勝ちを追求するつもりだ。そのためには、主力はもちろん、バックアップメンバーも重要になる。指揮官は「即戦力がほしい。ピッチャーも野手もキャッチャーも全て。そうしてくれたらキャンプとか、めちゃくちゃ楽しいですよね。(レギュラーを)固定していきながら、控えも分厚い。面白いですよね」と想像を膨らませた。
監督のオファーを受けた段階で、1年目はトライアウト、2年目に勝負と決めていた。1位以外のAクラスに興味はない。「来年、2位は考えていない。2位も6位も一緒なので。もうトップしか考えていない。あ、1年契約でした。でも気持ちは2年」と豪快に笑ったが、本気でリーグ制覇に燃えている。
現役時代も引退後も、周囲が驚くような困難なミッションにあえて挑戦してきた。編成はフロントに任せる形だが、斬新なアイデアが、好影響を及ぼす可能性は十分にある。ビッグボスの願いがどこまでかなうのか、注目される。