コンサドーレ
《平川弘のCool Eye》小柏&スパチョーク 縦の速さが生んだゴールラッシュ
小柏復帰即先発、スパチョークデビュー
先日、札幌の元監督だったウーゴ・フェルナンデスさんが亡くなった。札幌をJFLからJリーグに昇格させた功労者である。「チームはファミリー」と、一体感を大事にし、バラバラだったチームをまとめ上げた。現役時代はウルグアイ代表のDFだったこともあり、カリスマ性もあった。闘うことを選手に求める厳しさがあったが、優しい一面もあった。
当時、囲み取材で私が玄人的な突っ込んだ質問をすると「おまえは何者だ?」とにらまれた。しかし、クラブOBだと分かると気軽に話しかけてくれ、私に意見を求める謙虚さもあった。成績不振、クラブとのトラブルでフェルナンデスさんは解任されたが、私にとっては優しい紳士だった。安らかにお眠り下さい。
これまでの得点力不足が、ウソのようにゴールラッシュとなった湘南戦(7日、5―1)。ケガで苦しんだFW小柏が、いきなり先発で起用されたので少々心配だった。だが、小柏のプレーがこんなに札幌を活性化させるということに驚いた。
得意の裏へのランニングでボールを受け、DFラインを押し下げた。それによりFW興梠にスペースが生まれ、くさびを受けることは容易になった。1トップ2シャドーは面白いように流れ、攻撃の起点をつくった。そして、小柏の縦への突破が、札幌に足りなかった速さと怖さをもたらし、得点へとつながった。
MFスパチョークは、デビュー戦でMF青木のゴールをアシスト。裏への飛び出しは小柏のようで、速さがあり想像以上。縦に速さが出た札幌。次節の神戸戦も勝って残留争いとはおさらばしたい。(本紙評論家)