ファイターズ
《鶴岡慎也のツルのひと声》鈴木に先発適性あり あとは左封じの必勝パターンを
■日本ハム3-2西武(11日、札幌ドーム)
緩急自在の投球で相手打線を翻弄
バッテリーが持ち味を発揮した。まずはプロ初先発の鈴木。アンダースローやサイドスローの投手に必要なのは緩急。スライダーやシンカー、ツーシームなどに加え、90キロ台のカーブも使うことで、130キロ台の直球をより速く見せていた。
先発の適性は十分にあり、だ。1球のミスも許されない中継ぎを経験してきた。この日は、伸び伸びと力感なく腕を振っていたように見えた。前日は9人もの投手をつぎ込んで引き分け。七回途中までマウンドを守ったのもチームにとっては大きかった。
課題を挙げるとするならば、左打者への対処。踏み込みやすく、長くボールを見られるため、どうしても打線のキーになる。この日も左バッターに(8安打中)6安打された。左封じの必勝パターンをつくっていってもらいたい。
好投引き出した清水のリードに成長の跡
捕手の清水には成長を感じた。これまで宇佐見や石川亮らライバルが活躍してきた。梅林や古川裕ら年下の捕手がスタメンに名を連ねることもあった。危機感は相当だっただろう。そんな中、打者の反応を見ながら、単調になることなく、しっかり鈴木をリードした。
最後のサヨナラ打は見事。決して良い当たりではないが、投手やチームを勝たせたいという思いがバットに伝わったのかもしれない。(本紙評論家)