万波が12号&九回同点打「きょうも迷いはない!」土壇場で底力
■日本ハム2-3ロッテ(12日、ZOZOマリンスタジアム)
強風切り裂く中越えアーチ「最初の3打席で何とか結果を」
もう迷いはない。そんな強い思いが、打球を押し込んだのかもしれない。2点を追う五回1死。万波中正外野手(22)が、強風をものともせず、中越え12号ソロを放った。
2安打を記録した5日のオリックス戦後、ヒットが出ていなかったが、左翼から一塁方向へ風速11メートルの風が吹く中、豪快な一発をマーク。「最初の2打席で何とか結果を出したいと思ってました。きょうも迷いはないです!」とコメントした。
さらに1-2の九回2死二、三塁で迎えた第4打席は、相手守護神・益田の直球を左前へ。土壇場で試合を振り出しに戻し「サヨナラになっちゃいましたけど、最後に追いつくことに関われたのは良かった」と笑顔がはじけた。
近藤に選球眼の教え請う「アドバイス生きて、きょうの結果に」
新庄ビッグボスの助言が効いた。チーム屈指の好打者である近藤に「どうやってボールを見逃しているかを聞いてみたらいいんじゃない」と声をかけてくれた。
前日11日の試合前に近藤の元を訪れ、早速実践。「打席の中で真っすぐのライン、軌道をイメージしてつくっておかないとキツい。線を引っ張ってきて、そのイメージを持てるかどうかが大事」。目からうろこの教えを授かり、「試してみたら、きのうから全然違う。アドバイスが生きて、きょうの結果につながったと思います」と感謝した。
サヨナラで両リーグ最速60敗も新庄監督「精神的にかなり成長している」
万波が2打点を挙げるなど奮闘したが、チームは九回に5番手のロドリゲスがつかまり、サヨナラ負け。引き分けを挟んだ連勝は「3」で止まり、両リーグ最速の60敗目を喫した。
それでも、新庄監督は「面白い。こういうゲームをきのうもその前もその前もやっているので、精神的にかなり成長していると思います」とニンマリ。「前半戦で選手に経験をさせたことが本当に大きかったんじゃないかな。やったことは間違ってなかった」と言葉に力を込めた。指揮官が求めるのは、目先の1勝より選手の成長だ。