旭大高が山本新監督のもと新チーム始動「最大限の準備を」現校名最後の秋に端場前監督からバトン
全国高校野球選手権(阪神甲子園球場)に出場した旭大高が15日、新チームを始動した。1993年秋からチームを指揮してきた同校OBの端場雅治監督(53)が部長に、山本博幸部長(42)が新監督に就任した。同校は旭大の市立化に伴い、来年度から新校名への変更手続きが進行中。「旭大高」として戦う最後の秋季全道を初制覇し、来春の選抜甲子園初出場で節目を飾る。
端場前監督は部長に「甲子園に行って辞められるなんて、幸せなことはない」
山本新監督が、恩師からのバトンをしっかりと受け取った。9月9日に開幕する旭川支部予選へ「(残り)25日しかない。その中で最大限の準備をしなければならない。一番調子が良い選手を入れる」。約10日間で練習試合4試合をこなし、52人の部員からベンチ入り18人を見極める。
練習前、端場前監督から選手に監督交代が告げられた。「校名が新しくなるので、新しい体制でいく。(新監督と)20年ぐらい一緒にやっていたので心配はない。安心して任せられる。甲子園に行って辞められるなんて、幸せなことはない」。今後は部長として、教え子をサポートしていく。
平手新主将「どんな形になっても旭大高のスタイルは変わらない」
山本新監督は、端場前監督が監督として初めて甲子園に出場した1997年夏のエース。04年着任以降、コーチ、部長としてタッグを組んできた。「自分のやってきたことをやるだけ。子供らは勝つことを目的に来ている。そこは伝えたい」と、この日も激しいをゲキを飛ばしながらノックバットを振った。
選手たちも冷静に受け止めた。広川稜太主将(3年)から新主将に指名された平手硬内野手(2年)は、「驚きましたけど、どんな形になっても旭大高のスタイルは変わらない。山本監督は一つ一つ教えてくださって、言われたことは全部徹底したい」。これまで同様、2人の指導者を信頼してついていく。
秋の全道頂点まで勝ち進めば、来春の選抜甲子園までは現校名のまま出場できる可能性がある。平手は「この名前でできる最後の秋。他のチームよりも始まりは遅れていますけど、やれることはやって臨みたい」。秋の全道初制覇を成し遂げ、新体制で挑む部の歴史に名を刻む。
■プロフィール
山本 博幸 (やまもと・ひろゆき) 1979年12月23日、旭川市生まれ。旭大高3年時の97年、エースとして夏の甲子園に出場。後に阪神入りした藤川球児擁する高知商と対戦し、1回戦で敗れた。国学院大を卒業後の04年に非常勤講師として旭大高に着任し、コーチを経て15年から部長就任。家族は妻と2女。176センチ、66キロ。
端場 雅治 (はば・まさじ) 1969年6月23日、旭川市生まれ。高校時代は旭大高で捕手。札大卒業後、母校に着任した。部長を経て93年秋に監督就任し、97年に監督として初めて夏の甲子園に出場。今夏は通算7度目の出場だった。1回戦はいずれも大阪桐蔭や星稜など強豪との対戦で、接戦を演じるも全て初戦敗退した。